爆サイ.com 北陸版

📖 創作・携帯小説


No.4575880
合計:
#463
>>316
優子が必死にお願いすると、美咲は溜め息を吐きながら
「しょうがないなあ。じゃあ、麻希の通夜に出るよ。麻希の通夜って今日よね?確か通夜の後に、故人を忍ぶ会みたいなのがある筈だから、そこで話をしたら良いと思う」
優子は驚きながらもやっぱり美咲だなと心の中で苦笑した。美咲は気分屋な性格をしている。また、効率の悪いやり方は好きじゃないタイプだ。無駄に時間を使うのを極端に嫌う。何より、自分の損になる事はしない。悪く言えば打算的とも言える。学生時代はそうでもなかったが、社会人になってからその傾向が強くなった。だから、さっきと真逆な事でも平気で言ったりする。それで優子は、散々美咲に振り回されてるが。
「そう…ね。まだ麻希のご両親からは連絡ないけど、そんなに時間は置かないと思うから、今日だと思う。ありがとう美咲。わがまま言ってごめんね」
「じゃあ、そういう事で。また後で連絡するから」
「うん。また後で」
そう言うと、優子は電話を切った。次に優子は、職場である明成出版社に電話して、今日の休みを申し出た。案の定、上司であるデスクは
「忙しいんだ、人手が足りないだよ」
と言って来たが、優子が体調不良と麻希の事を強調すると、渋々ながらも了承してくれた。出版社に勤める身としては、取材もあるし急な休みは気が引けるが、とにかく今は、自分に起きてる事の方を解決するのが大事だ。電話を切ると、優子は薬が効いたのか、疲れが出たのか、また眠りについた。


[ 匿名さん ]
TOP