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🪓 メルティブラッド攻略・地方


No.630572
#287
空気読まず投下、すいません…汗
 
闇夜の世界の、そのまた闇。
 深淵の奥底、予定調和と錯覚するような雑多な黒。
「な…」
 路地裏、殺人鬼の路地裏。死の具現、嘆きの園。
 その一角に、代行者の姿がある。
「なんで…」
 思わず漏らした声は、怯えと震え。
 青い髪が生暖かい風に揺られ、従うように法衣も続く。
 暖かい風。生暖かい、張り付くような。
 温度を奪って去って逝く風は、路地裏を抜け空へ。
「嘘…よね?」
 それすら惜しむように伸ばした手は、だが何を掴むでもなく。

 そこで青い代行者は、死んでいた。
「…どういう、こと?」
 それをアルクェイドは、信じられない目で見据えている。
 志姫を秋葉に任せ、自分がやるべき事後処理はないかと走った、その矢先。
 新たな目的を前に心機一転した彼女が気付いたのは、血の匂い。
 それがあまりにも濃くて、気になった。
 人だということは、気付いていた。
「シエル…」
 まさか犠牲がこの人物だと、思わなかった。
 だが、確認してなお、そうだと信じたくない光景がそこに。
 シエルの遺体は、ボロボロだった。
 まず両腕。ない、引き千切ったような雑な傷口だけを残して。見渡しても、残骸は見当たらない。
 次いで脇腹。喰われたかのように陥没しており、内臓が引き摺り出されたかのように散乱。
 足、根元から無い。英単語よろしくジクザグな形に変貌して、壁際に転がっている。
 そして…。
「シエル…っ」
 思わず、顔を背けた。
 顔が。目が、鼻が、頬が、耳が、口が。
 全てが、削ぎ落とされていた。
「何なの…?」
 声は、かすれていた。
「まだ何か、いるっていうの…!?」
 答えは、無かった。
 死線は、感じた。


[ 匿名さん ]
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