プレジデントオンライン 2020-7-15
【橋下徹「公明党と密約してまでこだわりたかったこと」】
〜 プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(7月14日配信)から抜粋記事をお届けします。
■2011年11月、公明党はいったん「都構想」賛成へ態度を変えてくれたが……
公明党の大阪府本部が、7月11日、今年11月に予定されている大阪都構想の住民投票(2回目)に「圧倒的勝利を勝ち取れるように全力で取り組む」と発表した。
忘れもしない、2015年5月17日の住民投票(1回目)では、賛成69万4000票、反対70万5000票の僅差で都構想は否決された。11日の日本経済新聞(電子版)によると、公明党大阪府本部の土岐恭生幹事長は「『(今回は)僅差であってはいけない』と述べるとともに、『公明党が賛成の立場で議論に入ったことで、(制度案を)よりよいものにつくり変えた。自信を持って発信していく必要がある』と強調した」という。
いやー、ほんと感慨深いね。
公明党は自民党や共産党と組んで、僕が大阪都構想をぶち上げた2010年より、徹底してそれに反対してきた。
2011年11月の大阪府知事選挙・大阪市長選挙のW選挙。僕は、大阪都構想をメイン中のメインの公約に掲げて、大阪府知事を辞職して大阪市長候補に鞍替え出馬。僕のあとの府知事候補には、松井一郎現大阪市長が出馬。激しい選挙戦だったけど、大阪府知事選も大阪市長選も僕ら大阪維新の会が制した。
そこで公明党は大阪都構想に協力する姿勢に態度を変えてくれた。
公明党は選挙結果を尊重してくれる政党だ。まあ、ここは当時、翌2012年か2013年かに行われるだろう衆議院議員総選挙を見越しての政治取引があったんだけどね。
僕ら大阪維新の会は、公明党の国会議員が存在する関西6選挙区には候補者を立てない。その代わり公明党には大阪都構想に協力してもらう。バリバリの密約。
メディアや学者やコメンテーターのインテリたちが、これは裏取引だ! 府民・市民不在の密約だ! 大阪都構想の中身についてはどうでもいいのか! などとどんなに批判しようとも、これが政治の現実。
相手がどうしてもウンと言ってくれないことをウンと言わせるには、民主国家においては、最後は選挙の力を使うしかない。