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No.11769416
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「小さい子どもが投げ過ぎて手術を受けている」――。今年1月、横浜DeNAベイスターズ・筒香嘉智選手の記者会見での少年野球に対する問題提起は、野球関係者のみならず社会に衝撃を与えた。少年野球における選手の酷使、保護者の「お茶当番」という「ボランティア」の強制。関係者の証言を集めた。(ライター・菊地高弘/写真・遠崎智宏/Yahoo!ニュース 特集編集部)

2019年1月25日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手(27)が記者会見を開いた。外国メディアを中心とした約100人の報道陣を前に、筒香選手はジュニア年代の野球現場の問題点を訴えた。

「小さい子どもたちが野球をやりたいのにもかかわらず、無理をし過ぎて手術をしたり、けがをして野球を断念したというケースを僕自身も何度も見てきました」

「親はお茶当番があるので、子どもたちとどこかへ出掛けたり、お母さんは自分がしたいことも何もできないという声がありました」

多岐にわたる筒香選手の問題提起のなかで、とくに大きな反響があったのは次の2点だ。一つは子どもの健康に害を及ぼす指導者や運営上の問題。もう一つは「お茶当番」に象徴される保護者の負担である。

コーチへの感謝の思いから始まったはずが
このような問題が起きるのはなぜか。数年前に関東地方のある強豪少年野球チームに息子が所属したことのある、母親Aさんに話を聞いた。

Aさんによると、息子が入団したチームは設立から数十年の歴史があり、選手がミスするたびにグラウンドには指導者の「何やってんだ!」という罵声が飛び交っていた。保護者には「お茶当番」が課せられ、試合日だけでなく、練習日にも当番が割り当てられた。お茶当番とは、選手、指導者、来客のために保護者がスポーツドリンクやコーヒーなどの飲み物を出す役割のことで、多くの少年野球チームに半強制的に存在しているという。Aさんは率先してお茶当番に励んでいた。

「最初はボランティアで指導してくれているコーチへの感謝の思いから始まったことなんです。でも、『コーヒーをお出ししたほうがいいよね?』という話が、いつしか『ミルクや砂糖を入れる量の好みもあるよね?』と、過剰になっていくんです。どんどん当番の仕事が増えて、ストレスになっていきました」


野球競技人口の低迷は「少子化の影響」と見る向きもあるが、子どもの減少率以上のペースで少年野球の選手は減っている(撮影:遠崎智宏)

共働きの夫妻など、当番に行けない家庭もある。だが、当番に来ない家庭はチーム内で浮いていくという。Aさんは「当番じゃなくても、見に行かないと陰で何を言われるか分からないので」と、少年野球への協力がなかば義務化されていく感覚だった。

「もう週末が憂鬱で仕方がありませんでした。平日だって、少年野球チーム内の『誰が車出しをできるか?』というような事務連絡がずっとくるわけです。いつの間にか『チームに迷惑をかけたくない』という思いが最優先されていました。息子が金曜の夜に早く寝ないと、『もし明日遅刻したら……』と気が気じゃない。『早く寝なさい!』と息子を叱りつけてしまって、そんなイライラが家族みんなに広がっていきました」

笑いながら「治ればまたできるじゃん」と言った指導者
小学4年のとき、Aさんの息子に異変が起きた。利き腕のヒジに痛みを訴えたのだ。エース投手だった息子は登板過多がたたり、ヒジを疲労骨折していた。治療を経て、回復した後にチームに復帰したものの、息子の起用法はまるで変わらなかった。

「1試合90球以上を投げて、負けた試合後に練習があるんですけど、そこでも全力で投げさせられる。『痛い』なんて言える雰囲気じゃないんです。でも、マウンドで息子はヒジを気にするそぶりをしてアピールするんですが、全然代えてくれなくて……」

結果、息子は2度目のヒジの疲労骨折と診断される。息子を伴って報告に訪れたAさんは、チームの指導者からこんな言葉を掛けられる。

「ヒジが痛いって言ったって、治ればまたできるじゃん」

この言葉を聞いた瞬間、Aさんは血の気が引く思いがしたという。

「半笑いで軽く言われて……。それで目が覚めました。息子に2回も骨折をさせてしまって、親として本当に申し訳ない。こんなチームに入れて本当に後悔しています」

すぐさま息子を退団させたAさんに残されたものは、息子のけがと野球への憎悪だけだった。Aさんは「息子が投げていた姿が全然思い出せないんです」と告白する。

「お茶当番やら、ボールなどの道具をそろえるやら、横断幕を張るやら……と目まぐるしく動いていたから、ゆっくりと試合を見る余裕すらなかったんです。当時は『少年野球はそんなもの』と思っていましたけど、絶対におかしいですよね?」


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