人気が出ればちやほやされ、そうでなければ生ゴミ同然に捨てられる。
たとえ運良く人気が出てもその人気が急落した者、また訳あって「卒業」と称した解雇に処せられた者もやがて同じ運命を辿ることとなる。
48グループという組織はいってみればペット業界でいう悪徳ブリーダーのようなものだ。
ペットショップに陳列された犬猫たちはショーウィンドウケースという檜舞台に立つこととなるが、ここで良い飼い主に運良く選ばれればその後、幸福な生涯を送ることもできるだろう。
しかし、売れ残れば最悪の場合、殺処分場行きの運命が待っている。
48グループにとってのAVとはまさにこの殺処分場のことだ。
たしかにAVの世界でも人気嬢にまで登りつめればそれなりの収入と生活を手にすることも不可能ではないだろう。
しかし、風俗同様に「性」を売り物にした職種ゆえに世間からの偏見や差別は根強く、ここに堕ちるということはその後ずっと世間から偏見や好奇の目に晒され「堕ちた女」のレッテルを貼られたまま生きていくことになる。
中西里菜(やまぐちりこ)が最たる例である。
いわば「社会的殺処分」だ。
落ちぶれた者は「生かさず殺さず」が48グループの方針なのだろう。
このところ、メンバーの中にもグループの一大行事である総選挙を辞退するなどグループに対して小さな反乱を起こす者が出始めている。
これは非常に喜ばしいことだ。
これまで組織に洗脳されその策略に呑み込まれ、人として生きるよりも群衆の前で愛らしいお人形を演ずることを余儀無くされてきた彼女らが、一瞬でも人間の女性として生きようとした瞬間でもある。
今後、メンバーたちが組織の悪しき風習に気づき、人間らしく生きたいという自我に目覚め始めれば、48グループはやがて自然淘汰の道を辿るだろう。
これ以上被害者を増やさないためにも
1日も早くその日がやって来ることを願ってならない。