爆サイ.com 山陽版

📖 創作・携帯小説


No.5719792
#24
夜の砂浜に光るリンゴ

夜の海岸を散歩していたら、リンゴのような丸い物が落ちていた。小さな光がラメのように点々と光っていた。しかしよくみるとラメのように周囲の光を反射しているのではなくその点々そのものが光っているようだった。または内部が明るくて光が漏れているようでもあった。しばらく持っていると、手にチクチクした感覚があり、アリにたかられている感覚があった。気持ち悪くなったので、そのリンゴのようなものを海に向かって思い切り放り投げた。

帰宅後、ニュースを見ると、SETIに数ヶ月前から地球外からの通信が入っており、解読に成功したという。異星人の物の可能性が高いという。パニックを恐れて公開を控えていたけれども、世界中の天文台や軍事基地が地球周辺の空間に巨大物体が飛来していないか観測を続けたものの、それらしい物体はついにみつからずに終わったため、公開に踏み切ったという。あの通信はいたずらだっただろうという見方が定説となりつつあり、この件はすでに終息に向かっているという。通信の解読内容に出身の星などの情報はなく、おおむね次のようなものだった。「我々は2000人乗りの都市宇宙船で恒星間宇宙船を航行中のところ、宇宙船の故障で不時着するものである。攻撃の意志はない。修理完了次第この星を離れる予定である」。


[ 匿名さん ]
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