ノルウェーのポーカー事情について多くの方はご存じないだろう。オンラインポーカーのプレイは
支障はないのだが、ライブポーカーは違法である。このハードルがあるにもかかわらず、ヨーロッパ
でも最高のライブトーナメントの一つ、“ノルウェーポーカーチャンピオンシップ”が年一回、春に
開催されている。ポーカーのもっとも楽しい一週間である。このタイトルにも関わらずノルウェー
国内ではこのイベントを開催は違法になる。そのため過去3年はアイルランド・ダブリンのゴルフ
リゾートを本拠地としており、ノルウェーのプレイヤーはそのためにダブリンへ渡航する。
(ノルウェー政府は、来年以降このイベントのみライブポーカー禁止の例外とする方向で動いている)
オスロでの開催はこのイベントが大きく発展するチャンスではあるが、メインイベントはすでに
ヨーロッパ最大のトーナメントの一つとなっている。今年のメインイベント参加者は1263人に
及んだ。8日間にわたって50のイベントが開催され、バイインも60€から2000€ハイローラーイベント
まで幅広い。トーナメントの参加にはノルウェーのパスポートが必要になるが、キャッシュゲームは
誰でもプレイできる。このキャッシュゲームだけを目当てに一週間の休みを取って全ヨーロッパから
人々が集まってくる。今回最大で62テーブルのキャッシュゲームが稼働し、ラスベガスを除けば
最大級となった。
ノルウェーポーカーチャンピオンシップをユニークなものにしているのは、雰囲気である。
イライラしているものも、喧嘩しているものもいない。負けを気にするものもいない。この一週間は
高いROIをたたき出すためでも、トーナメントで優勝するためのものでもない。ごぶさたの友人と
会って、ホテルのバーでカクテルを飲みながら語り合うための一週間である。EPTのような高額
バイインのイベントには参加しないポーカープレイヤーの友人とも、この年1回のイベントでは
会うことができる。親戚の集まりみたいなものである。参加者はみな楽しみのためだけに来て
いるので、財布を空にして帰ることになってもなお、幸せである。
トーナメントで仮にバブルになっても、WSOPやEPTよりも痛みはずっと少ない。パーティーが
あちこちでずっと続いているから。結果を出すことよりもイベントへの参加そのものをみんなが
心から毎年楽しみにする、世界でも類をみないイベントとなっている。
■Norwegian family reunion
http://www.pokerstarsblog.com/team_pokerstars_blogs/johnny_lodden/2014/norwegian-family-reunion-149675.shtml
