アルクェイドは確かに、それを見た。
闇に呑まれようとする世界で、なお一身に輝くそれらを。
「志姫…?」
思わず声をあげる先に、映るもの。
それは志貴には有り得ないはずの、有り得てはならない能力の一端。
それこそが、彼女の周囲に浮かぶ、幾数ものナイフ。
魔術としか言い様のない存在定義を晒しながら、決して個々の異常を晒さない通常凶器。
「どうして…」
公園の入り口。ただ呆然と立ち尽くすその声は、届かず。
ただ明らかに決定的なそれら全てが、勝利を確信した偽者を迎撃し、
「ア……ハッ!」
完了した。
無事な腕を指揮者のように振りかざし、志姫が目を閉じる。
「宣告せよ……」
その澄んだ声を、小さく響かせて。
あまりの神聖さに心を揺らさせて。
偽者の回避行動すら完全に見越して、その肢体をめった刺しにせしめた。
「ガ……ァウッ!」
一撃、だった。
まるで玩具のように、赤子のように、その肢体は地面を転がる。
「我は、一時の迎撃手なり」
宣告。それはあまりに強力で、残酷な。
蹂躙、という表現こそ相応しい、圧