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🪓 メルティブラッド攻略・地方


No.630572
合計:
#246
 躱した。
「……!」
 それは、異形な能力持ちにすら神業と思わせるほどの、回避。
 撃ち落とされたナイフは、個々が意志を持つかのように幾学的な軌道で七夜を襲う。
 一つ目は右方向にやや円を描くように旋回。二つ目は直接的に高速で。三つ目は二つ目の周囲を回り展開。四つ目と五つ目が足元を掬うように連なって地面を這い、六つ目が背後から進撃した。
「チェック」
 決定打を確信した志姫が呟き、紫電に隠れた左手にナイフを据える。
 だが。
「終わったと、思うな…!」
 瞬時に身を転じた七夜が、それら全てを迎え撃った。
 一つ目をナイフで弾き、二つ目をミリ単位の回避でやり過ごし、三つ目を直にその手に掴む。
 そこまで、コンマの攻防。
 あまりにも、速過ぎる。
 危険だ。
「…!」
 殆ど反射的に、志姫は手に持ったナイフを投擲。
 それが愚行だと気付いた時には、既に七夜は四つ目を三つ目で地に縛り付け、五つ目を踏み締めていた。
 有り得ない。ほぼ完璧に足並みを揃えたはずのナイフが、順々にその動きを止められていく。
 七夜が、志姫を振り向く。
 同時に疾った六が七夜の頬を掠め、鮮血に濡れた七がその眼前で叩き割られた。
 その段階で、七夜の姿は志姫の目の前。
「そらっ…!」
 5Mの距離は、どこにいったのか。
 咄嗟に身体を飛ばした志姫の肩から、鮮血が飛ぶ。
 そして既に、七夜は志姫に平行して接近。
「…!」
 抜き放ったナイフが、だが刀身を確認する前に砕け散る。
 殺される。
 志姫はここにきて、ようやくそう認識。
 後ろから追撃した三本が、何故か七夜の背を前にして同時に砕け、上空からの二本が目標を見失い地面に突き立つ。
 不意打ち気味に懐から放った八本目すら、その身体に届かず。
(まず…い!)
 もう、遅い。
「終わりだ…!」
 とうとう七夜の動きが、先行したはずの志姫を上回り。
 七夜の短刀が志姫の胸、心臓の定位置を的確に刺し貫いた。
 
ちょっと頑張ってみたりしました


[ 匿名さん ]
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