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フィリップ医師はAPに、「死体安置所と病院の外に集まった犠牲者の家族や知人は悲嘆に暮れています」と述べた。
地元メディアによると、ブカレストを含む都市の医療機関ではコロナ患者の入院待ち渋滞が複数確認されたという。クラウス・ヨハニス大統領は20日の声明でコロナ渋滞を「ひどいドラマ」と呼び、感染拡大に対する備えが不足していたと認めた。
ルーマニアの医師会は今月初め、政府に「絶望の叫び」と題する公開書簡を送り、市民にワクチンを速やかに接種するよう強く促していた。
政府は医師会の絶望の叫びと現場の窮状を受け、世界保健機関(WHO)にコロナ問題を担当する医療専門家のヘザー・パポウィッツ博士を派遣するよう要請した。
パポウィッツ博士はブカレストで22日から始まった72時間ワクチン接種マラソンのオープニングセレモニーに出席した。当局によると、最初の8時間で13,000人以上がワクチンを接種したという。
22日にワクチンを接種したある女性は地元メディアに、「政府はワクチンの有効性に関する情報を発信しなかった」と述べた。
保健当局によると、22日にのワクチン接種数は過去最高の約13万回を記録したという。しかし、WHOは、「現在の接種ペースでは各国が目標としている完全接種率70%に達するまでに3年近くかかる」と危機感をあらわにした。
ベイブス・ボリャイ大学の保健労働力研究政策センター所長を務めるマリウス・イオヌット・ウングレアヌ博士はAP通信に、「ルーマニアはワクチンの展開に失敗した」と述べた。「政府の対応は遅すぎます。あまりに遅い...」