数ある架空戦記の中でも、稀に見る駄作です。
太平洋戦争で戦死した山本五十六が、過去の自分自身に生まれ変わる。
戦死する以前の記憶は完璧に保持している状態で。
小説内では、これを「転生」と呼んでる。
生まれ変わった五十六は、何故か山本家の養子にならず、旧姓の高野五十六のまま。
高野五十六は密かに日本社会の改造を行い、秘密兵器を、佃煮みたいにたくさん作って、アメリカと戦争を始める。
秘密兵器と優秀な将兵を誇る日本軍は、外国軍にドンドン勝っちゃう!という話。
非常に御都合主義的で場当たり的な展開が特徴であり、外国人は馬鹿っぽく、日本人は勇敢で賢く描かれる傾向がある。
韓国人が「韓日戦争」を書いたら、こんな雰囲気の小説になりそうだ。
作家自身が、作品の展開や結末を明確にしないまま書き始めたらしく、ドンドン話が膨らんで行った。
シミュレーションゲームの「レッドサン・ブラッククロス」のコンセプトを無断借用(ていうか盗作)した疑惑あり。