Anyma 三部作完結編となるアルバム『The End of Genesys』でメロディックテクノの極致へ
メロディックテクノシーンを牽引するDJ/プロデューサーAnyma(アニマ)が、3作目となるアルバム『The End of Genesys』をリリースした。本作は、『Genesys』(2023年)、『Genesys II』(2024年)に続く三部作の完結編であり、彼の音楽とビジュアルアートの集大成となっている。Anymaは、イタリア出身のDJ/プロデューサーMatteo Milleri(マッテオ・ミレリ)のソロプロジェクトであり、テクノユニットTale Of Usのメンバーにして、人気レーベルAfterlifeの設立者でもある。2024年から2025年にかけてラスベガスの球体アリーナ「Sphere」で行われた12日間の公演では、延べ20万人を動員。2025年1月には、GMO SONICで初来日を果たし、日本のファンにもその存在感を示した。
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NEWアルバム『The End of Genesys』は、メロディック・テクノを基盤に、トランス、インダストリアル、アンビエントなどの要素を取り入れ、ジャンルの枠を超えたサウンドを展開。各楽曲は、テクノロジーと人間性の関係性や進化をテーマに、深い物語性を持って構成されている。Grimes、Ellie Goulding、Yeat、Empire of the SunのLuke Steele、070 Shakeといった多彩なアーティストが参加し、全15曲が収録されている。アルバムは、アンビエントな質感の「Lucente」で幕を開ける。続く「Voices In My Head」は、Argy、Son of Sonとタッグを組んだ、幽玄でミステリアスな雰囲気が漂うフロア映え抜群のトラック。不穏なループボーカルと重厚なビートで、一気に世界観へと惹きこんでいく。「Hypnotized」は、Calvin Harrisとの「I Need Your Love」「Miracle」などのヒット曲でも知られるUKのシンガーソングライターEllie Gouldingを迎えたナンバー。Ellie Gouldingの顔が様々にエフェクティブに変化していくVJやMVが話題を呼び、BillboardのDance/Mix Showチャートで1位を獲得するなど、人気を博している。Grimesとの「Taratata」では、混沌とした、形を変えるようなトラックを展開。囁くようなヴォーカルも耳に残る。「Neverland (From Japan)」は、アルバムの中でも特にエネルギッシュなナンバー。Anymaのシグネチャー・サウンドである没入感とフロアの陶酔感へと誘う重厚なベースラインに、「She From Japan」という言葉が印象的なラップ・ヴォーカルが重なる、ライブでも定番のナンバー。GMO SONICでも披露され、エヴァンゲリオンをオマージュしたビジュアルも話題となった。「Work」は、ヒップホップ界の新星Yeatとのコラボレーション。ざらついたインダストリアルなプロダクションで、一気にアルバムの雰囲気を変える。タイトルトラック「The End Of Genesys」は、本作の中心に据えられた荘厳な1曲で、レイヤー状に重なるシンセと低く唸るようなベースラインが心を震わす作品となっている。また、アルバムのリリースに合わせて、Empire of the SunのLuke Steeleとの楽曲「Human Now」のMVが公開。スフィアでの連続公演でも披露されていたビジュアルを拡張しており、進化してきた人類とテクノロジーの関係性が探求されている。Anymaの象徴的なロボットであるEva(エヴァ)が登場し、楽曲が持つ感情的な重みを反映したこのビデオは、自己との繋がりや、テクノロジーと意識が絡み合う世界において人間であることが持つ真の意味を掘り下げるものになっている。なお、アルバム『The End of Genesys』は、今年デラックス・バージョンのリリースも予定されている。Anymaは、今夏にヨーロッパやUKでフェスティバルへの出演が控えており、スペインのバルセロナでは自身がキュレーションするAfterlifeフェスティバルに出演するほか、TomorrowlandやCreamfieldsなどへの出演が決定、世界各地での活動が続く。