2022年4月6日、中国メディアの澎湃新聞は、ウクライナのブチャで多くの民間人の遺体が見つかった問題で、「遺体がたばこを吸っている」動画がネット上で物議を醸していると伝えた。
記事は、ロシアによる侵攻を受けているウクライナのキーウ（キエフ）近郊にあるブチャで民間人が殺害された問題が世界で注目を集め続けている中、中国語のSNS上では、袋に入れられた遺体が悠然とたばこを吸っている様子が映った動画が拡散し、「遺体は偽物ではないのか」との議論が起きていると伝えた。
その上で、拡散している動画を詳しく調べたところ、ロシア人ネットユーザーが2021年3月28日にTikTok上に掲載した動画と内容が一致したと紹介。この動画はロシアのラッパーであるハスキーが20年に撮影したミュージックビデオ（MV）のメイキング映像で、ウクライナとも現在の戦争とも無関係のものであると説明し、映像がモスクワで撮影され、袋に入れられた遺体はパフォーマンスアートであり、必要な許可を得た上で撮影されたものだったと伝えた。
また、この動画は昨年以降、しばしば「新型コロナによる死者の現状」を偽装した映像として流用されてきたと指摘。新型コロナの深刻さを誇張する以外にも、昨年5月のイスラエル・パレスチナ紛争でもイスラエル側によって爆撃の口実に用いられたとの指摘もあると紹介している。（翻訳・編集/川尻）
