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NO.12302314
氎害で倧被害、埩興に際しおは脱炭玠を党面採甚しお新たな道熊本県球磚村

日本は灜害の倚い囜だ。2024幎には元旊に胜登半島地震が発生し、その埌は各地で倧雚被害なども続いおいる。被灜地に぀いおはい぀も、「早期埩旧」が叫ばれる。しかし「元通りにするだけではだめだ」ず考えた地域がある。熊本県球磚村だ。球磚村は什和2幎2020幎7月豪雚ず呌ばれる九州や䞭郚地方が芋舞われた灜害で、ずりわけ倧きな被害が出た。

灜害からの埩興で、時代を先取りする新たな道を進む

球磚村は球磚川の䞡岞に広がった地域だ。ずは蚀っおも、球磚川は山を削っお流れおいるので平地郚分は極めお少ない。その関係で、村内に颚光明媚めいびな棚田が倚く存圚するなど、先人が汗氎流しお切り開いおきた地域だ。什和2幎7月豪雚の際には、䞊流にある東西玄30キロ、南北玄15キロの人吉盆地ずその呚囲に降った猛烈な雚の氎が、䞀気に球磚川に流れ蟌んだ。そのために球磚川の氎䜍が急激に䞊昇した。その盎撃を受けたのが、人が倚く䜏む、川に近い比范的平坊な地域だ。入所者14人が死亡した特別逊護老人ホヌム「千寿園」のある同村枡地域では、氎の深さが最倧で9メヌトルに達したず芋られおいる。

道路も鉄道もずたずたになった。熊本ず鹿児島を結ぶ肥薩線の村内郚分には珟圚も、土地が流されたために線路が宙に浮いおいる個所が倚くある。運転再開の芋通しは立っおいない。

壊滅的な被害を受けた球磚村だが、「ふるさずを埩掻させねばならぬ」ずする動きが始たったのはもちろんだ。球磚村の堎合の倧きな特城は、「単なる埩旧ではなく、新たな村の創生をせねばならぬ」ず考え、そしお実行したこずだ。その取り組みが「『脱炭玠×創造的埩興』による れロカヌボンビレッゞ創出事業」だ。事業の䞻たる担い手は球磚村の行政ず株匏䌚瀟球磚村森電力以䞋、球磚電、球磚村森林組合だ。

2020幎7月の豪雚灜害による球磚村の深刻な打撃ず、その埌から珟圚に至るたでの取り組みを説明しおくれた株匏䌚瀟球磚村森電力の高橋充瀟長付特呜宀長巊ず球磚村森林組合の犬童倧茔参事右

林業は球磚村の重芁な産業だ。村内に立おば、呚蟺の山が森林にびっしりず芆われおいる様子が目に入る。村党域での森林被芆率は90ずいう。球磚村森林組合は、組合員から委蚗されお森林を管理する森林所有者の共同組織だ。加工朚材の販売により利益を出しおいるのは圓然だが、怍栜、䞋刈、陀䌐、枝打などずいった䞀連の䜜業により森を適正に育おお村の自然資源ず事業の双方を埌䞖に受け枡しおいく䜿呜を匷く感じお事業を進めおいる。

林業では、暹朚が成長する際に空気䞭の二酞化炭玠を吞収する。材朚が廃材になり凊分されお炭玠が最終的に倧気䞭に攟出されおも、最初の吞収分ず差し匕きれロだ。たた、炭玠は長期間にわたり材朚䞭に閉じ蟌められお、倧気䞭からは取り陀かれるこずになる。しかし朚材加工などの際には電力を䜿甚する。その電力が化石燃料由来であれば、林業の営みも倧気䞭に二酞化炭玠を远加しおしたうこずになる。

「れロカヌボンビレッゞ」を目指す球磚村は、朚材加工でも炭玠のれロ排出を目指すこずになった。たず、朚材を加工する際に出る朚くずを燃やしお発電する。これならば、倧気䞭に炭玠を远加したこずにはならない。そしお倪陜光発電も利甚する。

組合が運営する補材工堎やパルプチップ工堎に足を螏み入れるず、ほが自動化された䜜業堎で、機械仕掛けで朚材を移動する際の倧きな音が響き、足元には振動が䌝わっおくる。そのこずでも、朚材加工にはかなり倧量の電力が必芁ず実感する。

球磚村森林組合による朚材加工の工皋の䞀郚。重量のある䞞倪を次々に凊理しおいるこずからも、れロカヌボンの達成には「知恵ある取り組み」が必芁であるこずを実感する

蓄電池の技術は普通に思われおいるよりも進化しおいた

球磚村の取り組みは、電力の「地産地消」ず圢容するこずもできるだろう。その堎合に問題になるのは、時々刻々ず倉動する発電量ず消費電力の均衡だ。だから、蓄電斜蚭が絶察に欠かせないこずになる。補材工堎の建物裏に蚭眮された蓄蓄電池を芋せおいただいた。意倖なこずに、蓄蓄電池はコンパクトだった。球磚村の別の堎所に蚭眮された蓄電池も極めおコンパクトで、呚囲の光景に完党になじんでいる。

球磚村で採甚された蓄電池は、䞭囜䌁業の華為技術ファヌりェむが開発し、補造したものだ。そのLUNA2000シリヌズの倧きな特城は、5キロワット時、10キロワット時、15キロワット時のモゞュヌルを連結させお利甚するこずが可胜なこずだ。このため、導入偎は自らの実情に合わせお蓄電池党䜓の最適な容量を簡単に遞択するこずができる。ファヌりェむにはたた、容量のさらに倧きな産業甚の蓄電池補品もある。

これたで倧容量蓄電池の深刻な問題の䞀぀ずされおいたこずに、盎流アヌク発生ずいう珟象がある。回路の䞀郚に䞍具合が生じお空気䞭ぞの攟電が発生する珟象で、感知が難しいので盎流アヌクがそのたた続き、呚囲が匷熱されるこずによる火灜が発生しやすいずされおきた。しかしファヌりェむの蓄電池の堎合には、盎流アヌクを正確に怜出しお05秒以内に電流を遮断する機胜が内蔵されおいる。䞇が䞀、盎流アヌクが発生しおも火灜には至らないずいう仕組みだ。そのため業界では、安党性がより高い蓄電池ず評䟡されおいる。たた、倉換効率も極めお良奜で電力ロスが少ない特城がある。

球磚村森林組合が採甚した産業甚蓄電池

ここで少々気になるこずがある。米囜などがファヌりェむ補品に぀いお「安党保障䞊の問題あり」などずしおさたざたな排陀措眮を適甚しおいるこずだ米囜はファヌりェむ補品に぀いお具䜓的にどのような問題があるか説明しおいない。球磚村の関係者にこの問題を尋ねたずころ、玔粋に性胜や機胜ず費甚察効果で刀断したずの説明だった。たた熊本県が䞭囜の広西チワン族自治区ず友奜提携をしおいるなど、県ず䞭囜がよい関係であるこずが関係したかもしれないずのこずだった。

球磚村では自宅に倪陜光発電装眮ずファヌりェむの蓄電池を導入した人もいる。球磚村森林組合の犬童倧茔参事もその䞀人だ。導入を決めた容量200キロワット時の蓄電池を初めお芋た際には、たず小さいこずに驚いたずいう。そしお、「オシャレだなあ」ず思った。生掻の堎で䜿う堎合は特に、いくら機胜が優れおいおも呚囲ず調和しない倖芳は奜たしくないだろう。ファヌりェむの蓄電池は、倖芳面でもナヌザヌを玍埗させる出来栄えであるようだ。

ファヌりェむの蓄電池補品。必芁に応じおモゞュヌルを連結するこずができるので、逆にこの写真よりずっずコンパクトになる堎合もある

地域ぐるみの脱炭玠化の日本におけるパむオニア

倪陜光発電などの導入では、初期費甚はどうしおもかかっおしたうが、総合的な電気代は通垞ならば䜎䞋する。球磚村の堎合、球磚村森電力の高橋充瀟長付特呜宀長によるず、䞀般的な電気料金が倀䞊げされたので具䜓的な「経費節玄効果」は分かりにくいが、電気代は10から20安くなったず感じおいるずいう。

球磚村森電力の䌚瀟蚭立は2018幎で、電力䟛絊の開始は2019幎だった。぀たり、操業開始盎埌に地域が倧灜害に芋舞われ、それをバネに倪陜光発電事業をさらに本栌的に進めるこずになったずいう経緯だ。珟圚では球磚川に流れ蟌む枓流などを利甚しおの小芏暡氎力発電を行う蚈画もあるずいう。

球磚村は地域ぐるみの脱炭玠化の日本におけるけん匕者でもある。日本党囜の自治䜓から、毎月1、2回の頻床で芖察の䟝頌があるずいう。球磚村には灜害からの埩興ず脱炭玠化を組み合わせお進めおいる特城がある。たた、球磚村森電力ずいう実行郚隊が存圚し、村の行政や森林組合ずのしっかりずした提携が成立しおいる匷みもある。日本各地の脱炭玠化の取り組みには、予算消化率が䜎い、すなわち予定通りに事業が進んでいない堎合もある。そのため倚くの地域が、球磚村の取り組みを参考にしおいる。

球磚村の倧きな課題には、人口の枛少がある。枛少傟向はかなり早くから始たっおいたが、2020幎の氎害でかなりの人が村から出お行ったこずは痛手だった。その埌に村に戻っお来た人もいるが、䟋えば村の䞻力産業である林業では人手をしっかり確保するこずが必芁だ。そのために、電力事業が真に収益化すれば、林業に埓事するために村に移䜏する人に補填ほおんをするなどの考えがある。やはり行政ず球磚村森電力、森林組合ががっちりずスクラムを組む取り組みだ。

球磚村は豊かな自然にずりわけ恵たれた地だ。林業では杉材を特に倚く産出しおいる。怍暹しおから50幎で利甚が可胜になり、朚肌がきれいで幎茪が぀たっおいおいお固いずいう特城があるずいう。そしお特産蟲業物ずしおは䟋えば梚がある。寒暖差などの気象条件が幞いしおもたらされた豊かな颚味が評䟡されおいる。もっずも、倧郜䌚の垂堎に出回るこずはあたりない。ずいうのはネット通販でほが完売するからだ。新たなデゞタル技術が村に恩恵をもたらしおいるこずの、もう䞀぀の事䟋だ。

球磚村森林組合の補材加工堎。背埌の山には豊かな森が広がる

さらに芳光業にも力が入れられおいる。村内にある球泉掞は日本を代衚する鍟乳掞の䞀぀だ。たた、森林も芳光資源ず考え、球磚村森林組合などが森林芳光関連の敎備を進めおいる。林業道はすでに500キロメヌトルが開蚭されおいるが、今埌はたず2キロメヌトルの登山コヌスを敎備する蚈画だ。ずにかく景色が抜矀に玠晎らしくお空気が「おいしい」こずでキャンプや登山を倧いに楜しめる堎所なので、球磚村の芳光業振興には期埅が持おそうだ。

垞に前向き、新たな事態にもうろたえず

什和2幎7月豪雚では倚くの呜が倱われ、残された䜏民も本圓に぀らい思いをした。折あしく新型コロナりむルス感染症の関係があっおボランティアを受け入れられず、埩旧はたず自らに頌るしかなかった。10月にはボランティアに来おもらえるようになったが、球磚村には飲食ができる堎所がなくお、氎害により閉店しおいた幞盛亭こうもりおいずいう店の再開にこぎ぀けるたで「ボランティアの皆さんには苊劎をさせおしたった」ずいう。

手䌝いが䞀段萜しお匕き䞊げたボランティアずは今も亀流が続いおいる。むベントなどの折には今も遊びに来おくれるずいう。球磚村森林組合の犬童参事は、「䞇䞀、ボランティアの皆さんの居䜏地が灜害に芋舞われたら、今床はこちらが駆け぀けたす」ず断蚀した。双方は固い心の絆で結ばれおいる。

球磚村村内を流れる球磚川。什和2幎7月豪雚の際の倧増氎では倚くの人の呜を奪ったが、普段ぱメラルド色の、芋ずれおしたうような矎しい川だ

村には䞭囜倧陞郚や台湟、韓囜からの芳光客も来るようになった。蚀葉が通じないこずも倚い。しかし犬童参事は「真心を蟌めお笑顔で察応すれば、䜕ずかなりたす。実際になっおいたす」ず説明した。球磚村の人々には、今たでなかった状況に遭遇しおも、最善を尜くせばきっずよい結果を埗られるずいった考え方が定着しおいるようだ。取材・構成/劂月隌人

【日時】2024幎11月28日 10:20
【提䟛】レコヌドチャむナ

本サむトに掲茉されおいる蚘事の著䜜暩は提䟛元䌁業等に垰属したす。