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マカオ、1月カジノ売上は63.7%減の約1052億円に…対前年マイナス幅6ヶ月連続縮小

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は2月1日、今年(2021年)1月のマカオの月次カジノ売上(Gross Gaming Revenue=GGR)について、前年同月から63.7%減、前月から2.6%増となる80.24億マカオパタカ(日本円換算:約1052億円)だったとする最新統計を公表。

 対前年の主なマイナス要因として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環で2020年1月下旬から現在に至るまで入境制限を含む厳格な防疫対策が講じられており、インバウンド旅客数が減少していることが挙げられる。このところ中国本土との往来制限の緩和が進んでおり(詳細後述)、対前年のマイナス幅は1月まで6ヶ月連続で縮小した。

 1月の1営業日あたりの平均売上は2.59億マカオパタカ(約34.0億円)。新型コロナの影響下、昨年2月(2月5〜19日の休業期間を除く14日間)は2.22億マカオパタカ(約29.1億円)、3月は1.70億マカオパタカ(約22.3億円)、4月は0.25億マカオパタカ(約3.3億円)、5月は0.56億マカオパタカ(約7.3億円)、6月は0.23億マカオパタカ(約3.0億円)、7月及び8月はいずれも0.43億マカオパタカ(約5.6億円)、9月は0.74億マカオパタカ(約9.7億円)、10月は2.35億マカオパタカ(約30.8億円)、11月は2.25億マカオパタカ(約29.5億円)、12月は2.52億マカオパタカ(約33.0億円)で推移してきた。

ゲスト及び従業員のマスク着用やカジノ用品の消毒強化といった防疫対策を講じた上で営業を続けているマカオのカジノ施設(資料)=2020年3月(写真:GCS)

 DICJは新型コロナ防疫体制下におけるカジノ営業にあたって運営会社に対して従業員及びゲストの健康を最大限保護することなどを求めており、ゲーミング(カジノ)テーブル間の距離の確保、テーブルゲームでは隣席を空ける対応(例えばバカラテーブルでは1テーブルに同時に着席できるのは3〜4人)、スロットマシンについても1台または2台おきの稼動と定められ、交差感染リスク軽減が図られている。チップ等のゲーミング用品に対する消毒も強化実施されている。再開したといっても、あくまで限定的ものだ。

 また、ゲストは入場時にマスクの着用、検温、有効な健康コード(衛生当局の専用サイト上で直近の滞在歴、新型コロナ患者との接触歴の有無、発熱や咳といった症状の有無、連絡先を入力して生成されるQRコード)の提示が義務付けられている。7月15日午前0時からは新型コロナウイルス核酸検査陰性証明書(マカオまたは広東省の認可施設が発出した有効期間内のものに限る)の提示も条件に加わった。

 カジノを含むマカオのツーリズム産業にとって明るい話題もある。目下、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした入境制限を含む水際措置は維持されているが、マカオ及び広東省における状況が落ち着いてきたことを受け、7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された。また、中国本土居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の申請も9月23日までに中国本土全域に拡大された。マカオの総インバウンド旅客数に占める中国本土旅客の割合は大きく、往来制限緩和に伴う旅客増が期待されている。また、今年第1四半期には「ザ・ロンドナー・マカオ」(既存の「サンズコタイセントラル」の大規模リニューアル)及び「グランドリスボアパレス」の2つの大型IRのオープンも予定されている。一方、このところ主に中国北方で新型コロナウイルス感染症の再流行が確認されていることが懸念点。まもなく春節(旧正月)ホリデーを迎えるが、この時期はマカオのカジノにとって年間最大の書き入れ時となる。昨年は新型コロナで霧散しており、今年こその期待も大きいが、旅客の戻りは未知数だ。

 なお、昨年(2020年)通期のカジノ売上は前年から79.3%減の604.41億マカオパタカ(約7926億円)で、2年連続前年割れ。マカオ政府の2021年度財政予算におけるカジノ売上見込みは1300億マカオパタカ(約1兆7047億円)。

【資料1】2020年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:221.26億マカオパタカ=約2901億円(11.3%減)
・2月:31.04億マカオパタカ=約407億円(87.8%減)
・3月:52.57億マカオパタカ=約689億円(79.7%減)
・4月:7.54億マカオパタカ=約99億円(96.8%減)
・5月:17.64億マカオパタカ=約231億円(93.2%減)
・6月:7.16億マカオパタカ=約94億円(97.0%減)
・7月:13.44億マカオパタカ=約176億円(94.5%減)
・8月:13.30億マカオパタカ=約174億円(94.5%減)
・9月:22.11億マカオパタカ=約290億円(90.0%減)
・10月:72.70億マカオパタカ=約953億円(72.5%減)
・11月:67.48億マカオパタカ=約885億円(70.5%減)
・12月:78.18億マカオパタカ=約1025億円(65.8%減)
>1〜12月累計:604.41億パタカ=約7926億円(79.3%減)

【資料2】2013年〜2019年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億マカオパタカ=約4兆7305億円(18.6%増)
・2014年:3515.21億マカオパタカ=約4兆6095億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億マカオパタカ=約3兆0270億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億マカオパタカ=約2兆9269億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億マカオパタカ=約3兆4847億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億マカオパタカ=約3兆9712億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億マカオパタカ=約3兆8349億円(3.4%減)
・2020年:604.41億マカオパタカ=約7926億円(79.3%減)

【日時】2021年02月01日 14:20
【提供】マカオ新聞

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