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アントニオ猪木をはじめ数多くのレジェンドが登場し、闘魂を語り継ぐインタビュー集『玉袋筋太郎の闘魂伝承座談会』の発売を記念して“炎の飛龍”藤波辰爾が登場！ 著者・玉袋筋太郎を対談相手に、活動50年を超えた現在の心境、今改めて語るアントニオ猪木との思い出など、たっぷり振り返っていただきました。

NO INOKI NO LIFE

カッチカチの汗

藤波辰爾　玉袋さん、『町中華で飲ろうぜ』(BS-TBS)観てますよ。いま僕がいちばんお気に入りの番組だから(ニッコリ)。

玉袋筋太郎　ありがとうございます！ 藤波さんに観ていただけてるとは、うれしいなあ。

藤波辰爾　チューハイが濃い(アルコール度数が高い)のを「カテエ」って表現するのもいいよね(笑)。あれ、本当に飲んでますよね？

玉袋筋太郎　飲んでるんですよ。1度の収録でだいたい2軒回って3時間くらい飲んでるんで、2軒目の後半はだいぶベロベロです(笑)。

藤波辰爾　でも、瓶ビールの最初の1杯がおいしそうなんだよね。

玉袋筋太郎　やっぱりビールは瓶じゃなきゃダメですよ。それはなぜかっていうと、昔の新日本プロレスは道場での練習後に瓶ビール飲みながらちゃんこつついたり、タイトルマッチで勝利したあと控室で瓶ビール持って乾杯したりしてたんで、あれに憧れがあるんですよ。

藤波辰爾　今はああいうのなくなったね。それに昔は日本側控室にはないけど、外国人側の控室には試合後に飲むための瓶ビールを必ず何本か用意していたから。

玉袋筋太郎　もう、試合後に控室で飲っちゃってるんですか！(笑)。

藤波辰爾　今はスポーツドリンクとか清涼飲料水しかないけど、昔はそうだった。それでアンドレ(・ザ・ジャイアント)が来た時だけは、特別にワンケース用意しておくんですよ。「アンドレ用」って書いておいて。

玉袋筋太郎　アンドレ用！(笑)。でも、アンドレならビール1ダースなんかすぐ飲んじゃうんだろうな。

藤波辰爾　瓶ビールをラッパ飲みするんだけど、アンドレが飲んでるとビール大瓶が普通の人の小瓶に見えるからね(笑)。

玉袋筋太郎　アンドレはちっちゃいグラスでちびちびやらないのがいいですね。

藤波辰爾　アンドレは試合前から飲んでるんだけど、晩年は消化しきれないのか、アルコールが汗としてそのまま出てるような感じでね。彼と試合をして汗が目に入ったら痛かったからね。

玉袋筋太郎　アルコール度数が高い汗をかくってすげえな。カテエ汗だよ(笑)。

藤波辰爾　新日本に来たばかりの頃は日本酒も飲んでたんだけど、「日本酒はダメだ。頭が痛くなる」って飲まなくなったの。でも、当たり前だよね。1升瓶を2～3本飲むんだから(笑)。

玉袋筋太郎　お酒の種類じゃなくて、飲む量の問題だっていうね(笑)。猪木さんはビールの一気飲みが早かったんですよね？

藤波辰爾　早かった。猪木さんは喉を広げてゴクンと飲む特技があって、誰よりも早かった。スポンサーとか地元プロモーターにお酒の席に呼ばれて「一気飲みやりましょう」なんて言われても、猪木さんが負けたところは見たことないから。

玉袋筋太郎　酒の席でもチャンピオンだっていうね。藤波さんも同席することが多かったと思いますけど、レスラーが強いところ見せるためにガンガン飲まされたりしたんですか？

藤波辰爾　ボクはそんな芸ができないって猪木さんも知ってるから、そういうことはやらされなかったけど。(ドン)荒川とか藤原(喜明)は、1升瓶一気飲みとかやってみせてましたよ。

玉袋筋太郎　最高ですね。たまんねえな～。今は巡業中に地方で打ち上げとかもあまりないんですかね？

藤波辰爾　少なくなったね。今はビジネスホテルだから、試合が終わったら選手みんなが顔を合わせたりすることもないから。昔は行きつけの旅館が各地で決まってて、玄関先に「新日本プロレス御一行様」って書いたのが貼ってあってね。

玉袋筋太郎　うわー、良い時代ですよねぇ。新日本一家、猪木一家が全国を回ってる感じで。

藤波辰爾　本当に一家だね。当時は年間240～250試合やってたし。

玉袋筋太郎　昔のシリーズ日程見ると、休みなく毎日試合してるんですよね。それだけ過密日程だと、リング屋さんなんかは試合後に夜通しで移動する「はね発ち」なんかも多かったんじゃないですか？

藤波辰爾　次の興行地が近ければ泊まって翌日移動しますけど、遠い場合は「はね発ち」ですね。途中どこかのサービスエリアで停まってトラックの中で仮眠してね。

玉袋筋太郎　リアルに『トラック野郎』ですよね。

藤波辰爾　リングは2台あったので、離島に行ったりする場合は先に別のリングを送っておいたりね。

玉袋筋太郎　離島まで回ってるんだもんなあ。

藤波辰爾　ボクは自分の父親が亡くなったっていう報せは、奄美大島に巡業中に聞いたんですよ。だから葬式の時は奄美大島から鹿児島に渡って、鹿児島から熊本に渡って。熊本から一緒に付いてきてくれた山本小鉄さんが運転する車で実家がある大分まで帰って。親父の顔だけ見て20分くらいですぐ次の興行地へ向かったからね。

玉袋筋太郎　すごいなあ。昔は芸能界もそうでしたけど、「親の死に目に会えない」って言われましたもんね。

藤波辰爾　我々もそれを聞いていたし、親にもそう言っていたしね。でも、本当にそうなんだっていう。

【日時】2024年01月02日 07:00
【提供】BUBKA WEB

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