澳門海關(マカオ税関)は8月3日、いわゆる運び屋による密輸行為をターゲットとしてITを用いるなどの水際対策強化を講じて臨む中、前月(7月)25日から30日までの6日間にマカオと中国本土との間の陸路の玄関口にあたる關閘、港珠澳大橋、珠澳跨境工業区、横琴のイミグレーション施設でハンドキャリー、越境貨物車両、越境自家用車を使った密輸事案を9件摘発したと発表。
発見に至った密輸品の内訳は、中古スマートフォン70台、未検疫の肉類・果物120.8キログラム、ボディソープ5120本、血液採取・測定機器3台で、このうち中古スマートフォンがマカオから中国本土への持ち出し(密輸出)、その他は中国本土からマカオへの持ち込み(密輸入)を企図したケースだったとのこと。
上記のうち、中古スマートフォンについては、税関検査場の申告物なしレーン(グリーンレーン)を通過した際の通関者の歩き方が不自然だったり緊張した面持ちから密輸品を隠し持っている可能性を察知した税関職員が呼び止め、詳細検査を行った結果、着衣の下に隠し持っている密輸品を発見、越境貨物と越境自家用車を悪用したケースでは、抜き打ち検査やリスク管理システムの事前警戒アラートによって検査対象車両を絞り込んだという。
上述の9件の密輸事案に関与した9人は28〜78歳のマカオ居民、香港居民、中国本土居民の男女で、未検疫の果物の密輸に絡む1人を衛生検疫・植物検疫規定違反で市政署に引き継ぎ、残る8人を対外貿易法違反で起訴済みとした。
一昨年(2023年)初頭のウィズコロナ転換による水際措置の緩和に伴い、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、いわゆる運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、物品を着衣の下に隠すなどの手口や越境自家用車の悪用が目立つ。
税関では、市民に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守及び報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう再三の呼びかけを行うとともに、今後も継続して水際における各種取り締まりを強化して臨む考えをあらためて示した。
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