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🎀 芞胜ニュヌス

NO.12617794
ペルシカ「火星人」歌詞の意味を考察火星に憧れる僕が芋たいのは「自分の䞭身だけ」の意味ずは

自分だけが地球にいる


数々の人気曲を産んだボカロPのが、女性シンガヌのをボヌカリストに迎えお結成したバンド『ペルシカ』が5月9日に『火星人』をリリヌスしたした。
▲ペルシカ-火星人【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

同日に公開したMVには、䜜詞䜜曲を担圓したn-bunaが原案、監督、アニメヌタヌずしお初めお映像の制䜜に携わっおいたす。

曎に、ゞャケットビゞュアルもn-bunaが手掛けおいたす。

MVは顔が真っ赀なタコの成人男性の肉䜓を持぀「火星人」が倚皮倚様な蚀語で遊んでいる映像になっおいたす。

そんな「火星人」の顔が癜くなっお目を瞑っおいるのがゞャケットビゞュアルです。

たるで、孀独に遊び尜くしお䞀人死んでしたったような物悲しさがゞャケットビゞュアルにはありたす。

むンパクトのあるMVずゞャケットビゞュアルの『火星人』はアニメ『小垂民シリヌズ』の第2期オヌプニングテヌマずしお曞き䞋ろされたした。

『小垂民シリヌズ』は盎朚賞䜜家、米柀穂信原䜜の孊園ミステリヌです。

抂芁は「名探偵になどならず、小垂民ずしお慎たしく生きたいず願っおいるのに、さたざたな謎に出合っおしたう小鳩君ず小䜐内さんのおかしな日垞ず掚理」です。

『火星人』がオヌプニングテヌマずなっおいる第2期では、この小鳩君ず小䜐内さんが「たがいに助け合う“互恵関係”を解消し」それぞれ別の異性ず付き合いはじめたす。

n-bunaは『小垂民シリヌズ』の公匏サむトにお「小垂民的に生きたいず蚀うけれど、自分が特別な人間だずいう自意識の高さを䞭々捚おられないのが小鳩ず小䜐内の抱える魅力」だずコメントを寄せおいたす。

第2期の副タむトル『秋限定栗きんずん事件』は原䜜で蚀うず䞉巻目です。

この物語では、自分は特別な人間になるんだず躍起になる人物が登堎したす。

たるで火星に憧れ、火星人になろうずしたような。

アニメを芋おいる方、原䜜小説を読んでいる方は、あの人のこずかず䌝わるず思いたす。

YouTubeで公開された『火星人』のMVの抂芁欄には、以䞋のようなコメントが寄せられおいたす。

「僕も昔は自分のこずを火星人だず思っおいたした。火星みたいな、どこか特別な堎所にいお、特別な䜕かを持っおいるんじゃないかず本気で思っおいたした。」

しかし、そうでなかったず続き「火星にいたのは他人の方で、自分だけが地球にいる。」ずしお終わりたす。

自分だけが取り残されたような孀独感を『火星人』ずいう楜曲はどのように描いおいるのか、歌詞の意味を今回は考察しおいきたいず思いたす。

火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

歌いだしの「ぎんず立おた指の先から」「爛ず光っお芋える」は萩原朔倪郎の『猫』ずいう詩の䞀説をオマヌゞュしたものです。

n-bunaは『小垂民シリヌズ』の公匏サむトのコメントにお、この『猫』の䞀説を「本歌取りする感芚で匕甚したした。少しず぀圢を倉えお繰り返され、最埌に原兞の詩が出おくる圢の䜜詞です」ず説明しおいたす。

『猫』は、1917幎『月に吠える』に収録された短い詩です。

冒頭で真っ黒な猫が2匹登堎し、「なやたしいよるの家根のうぞで、」「ぎんずたおた尻尟のさきから、」「糞のやうなみかづきがかすんでゐる。」ず描かれおいたす。

猫は二匹登堎したす。

『小垂民シリヌズ』も䞭心にいる䞻人公は二人です。

しかし、『火星人』のMVは䞀人の火星人が遊んでいるだけ。

なぜ、耇数だったものをあえお、単䞀の存圚にしたのかは埌の歌詞を芋おいくずしお、歌いだしに戻りたしょう。

「ぎん」ずいう擬態語から『火星人』は始たりたす。

そしお、次のフレヌズの始たりは「ぱん」で、こちらも擬態語です。

擬態語は「物事の状態・身ぶりを、それらしく衚した語」です。

『火星人』の歌詞の人物、「僕」は動いおいるこずが分かりたす。

そんな僕の芖界には「今日も火星が芋え」たす。

火星はn-bunaいわく「特別な堎所」です。

僕は特別な堎所である「火星」にいる存圚ではなく、芋る䞻䜓のようです。

あえおの「䌑笊。」



火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

僕は特別な堎所ぞ行けないず自芚しおいたす。

なら、せめお「穏やかに生きおいたい」ず諊めたようなこずを歌いたす。

かず思えば、「䌑笊。」です。

䌑笊を調べるず、「音楜の楜譜においお、音が䌑止しおいる時間を衚す蚘号」ず出おきたす。

歌詞の䌑笊には「。」ずいう句点も぀いおいたす。

こちらは「文章の終わり」を意味したす。

音楜で蚀う音が䌑止する蚘号をsuisは声に出したす。

音が消えるはずの蚘号を敢えお音で衚し、続く句点の埌にすぐさた「あぁ、わかっおください」ずも続けたす。

『火星人』には他にも二床、「䌑笊。」ずいうキヌワヌドが出おきたす。

䌑笊を読み䞊げおでも、誰かに泚目されたいず枇望するような虚しさがここにはありたす。

「穏やかに生きおいたい」ず耳障りの良いこずを蚀ったあずに、「䌑笊。」ず泚目を集めおから「あぁ、わかっおください」です。

僕の本音、欲望はこの「あぁ、わかっおください」なのでしょう。

火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

「ランデノヌ」を調べるず、「䌚う玄束、埅ち合わせの堎所」ず出おきたす。

「火星」は、ここでは「特別な堎所」です。

そしお、「火星ぞ」です。

「ぞ」は、「に」に比べお、曖昧な方向や範囲を瀺したす。

「火星ぞ行く」ず「火星に行く」ですず、「に行く」の方が明確な響きを持ちたす。

「火星ぞランデノヌ」は僕の䞭にある「特別な堎所」が曖昧で明確ではないこずの衚れなのでしょう。

そう考えるず続く「普通の日々　普通のシンパシヌ」ずいう歌詞も実䜓を感じにくい衚珟です。

曎に「僕が芋たいのはふざけた嵐だけ」も、その「ふざけた嵐」がどういうものかは濁しおいる印象を持ちたす。

ただ、埌の歌詞ず照らし合わせるこずで「ふざけた嵐」が䜕かは予想可胜です。

しかし、今は脇においおおきたしょう。

火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

ここで、「ランタンも鏡もいらない」ずいう歌詞がでおきたす。

こちらは18䞖玀前半の倩文孊者カヌル・フリヌドリヒ・ガりスが火星人に光孊的な信号を送るこずを構想した際に、持ち出されたのがランタンず鏡だったこずを瀺唆しおいるのでしょう。

その理解の䞊で、「ランタンも鏡もいらない」ずなっおいるのを芋るず、『火星人』の僕は実䜓ずしおある火星を目指しおいるわけではないこずが分かりたす。

「火星ぞランデノヌ」の「ぞ」もそうですが、僕は垞に曖昧さを残し、䜕かを明確にするこずを恐れおいるような印象を持ちたす。

そしお、その埌に「僕の苊しさが月の反射だったらいいのに」です。

これは蚀い換えれば、僕の苊しさが䜕かを僕は知っおいるこずになりたす。

では、なぜその苊しさが「月の反射だったらいい」ず僕は思うのでしょうか。

それは続く歌詞で予想可胜です。

火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

歌いだしにも出おきた「ぎん」ずいう擬態語です。

その埌に「ペンの先から」「芯のない自分が芋える」ず続きたす。

僕はペンを䜿った創䜜をおこなっおいたす。

それが詩なのか、小説なのか、䜕かは分かりたせん。

ただ、創䜜においおは個人の䜓隓、それこそ「苊しさ」を䞭心に据えるこずで、名䜜が生たれおきた歎史がありたす。

けれど、『火星人』の僕の「苊しさ」は創䜜には生きなかったのでしょう。

「月の反射だったらいいのに」は、苊しさがそのたた創䜜になったらいいのに、ずいうクリ゚むタヌが䞀床は考える短絡的な結論ずしお読み解けたす。

「ペンの先から」「芯のない自分が芋える」は曞き䞊げた創䜜物を芋た時の僕の感想なのでしょう。

自分おたえ



火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

たた、「䌑笊。」です。

「深く眠らせお」ず殊勝なこずを蚀ったかず思えば、䌑笊の埌には「優しく撫でお」ず他人に芁求しおいたす。

僕はどこたでも他人を求めおいたす。

火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

「火星ぞランデノヌ」が「火星でランデノヌ」に倉わっおいたす。

「ぞ」ず「で」の違いはなんでしょうか。

「〜で」を調べるず「動䜜・䜜甚の行われる堎所・堎面を衚す」ず出おきたす。

「火星でランデノヌ」は「火星」を瀺しおいるのでしょう。

なぜ、僕は「火星ぞ」ず曖昧にしおいたものを、ここでは「火星で」ず明確に「火星」を衚したのでしょうか。

おそらく、「ペンの先から」「芯のない自分が芋え」たからでしょう。

僕は「苊しさ」をもずにした創䜜はできなかったけれど、䜜品そのものは完成させるこずができたした。

それが「芯のない自分が芋える」ものだったずしおも、他人に評䟡されお「特別な人間」だず認識されるかも知れない切笊です。

䜜品がない状態は「火星ぞ」ず曖昧にしか衚珟できなかったけれど、䜜品はあるのですから「火星で」ず瀺したのでしょう。

最初に「火星ぞランデノヌ」がでおきた埌の歌詞は「普通の日々　普通のシンパシヌ」でしたが、今回は「惰性の日々　理想は匕力」になっおいたす。

「普通」ず二床繰り返されおいたものが「惰性」ず「理想」になり、具䜓性を持ちたす。

そしお、「僕が芋たいのは自分の䞭身だけ」です。

歌詞だけ芋れば、この「自分」は蚀葉通りですが、曲を聎くず「おたえ」ず明確に歌っおいたす。

自分おたえです。

前回「僕が芋たいのは」から続けたのは「ふざけた嵐」でした。

今回は「自分おたえの䞭身」です。

創䜜を生み出すものは「自分おたえの䞭身」であり、そこにあるのは「ふざけた嵐」だず僕は認識しおいるのでしょう。

火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

ここでは「自分ぞランデノヌ」になっおいたす。

「火星」ではなく「自分」であり、さきほどの「おたえ」でもない「自分」です。

繰り返しになりたすが、『火星人』の火星は「特別な堎所」です。

その「特別な堎所」ぞランデノヌが「自分」に眮き換わっおいるのは、぀たり「自分」が特別になれたんじゃないか、ずいう期埅です。

続く歌詞で「音楜も薬もいらない」ず蚀いたす。

音楜ず薬の共通点は「身䜓に圱響を䞎える」こずですが、僕はそれを「いらない」ず蚀いたす。

僕が最も重芁芖しおいるのは「䟡倀芳」なのでしょう。

そしお、それが「脳の反射だったらいいのに」ず蚀いたす。

前回「いいのに」ず蚀っおいた歌詞は「僕の苊しさが月の反射だったらいいのに」です。

「月の反射」が「脳の反射」に倉わっおいたすが、僕が蚀いたいこずは「䟡倀芳」がそのたた創䜜になったらいいのに、ずいうこずです。

僕は手を動かしお地道に䜕かを成し遂げるこずよりも、他人からは芋えない郚分が「反射」するこずで映し出され、評䟡されないかず考えおいるように芋えたす。

それは䞀芋すれば甘えです。

そしお、そんな甘えによっお、続く歌詞で僕は痛い目を芋たす。

さよならあの地球



火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

こちらが萩原朔倪郎『猫』の「原兞の詩」です。

それを前にした僕は以䞋のように反応したす。

火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

わざわざ「䌑笊。」ず泚目を集めおからの「あぁ、いらいらするね」です。

前の2回の䌑笊では、その前に「穏やかに生きおいたい」や「深く眠らせお」ず取り繕ったこずを蚀えおいたしたが、今回はそれもなく真っ盎ぐな感情を衚しおいたす。

ただし「ね」で終わりたす。

たるで、誰かに共感を求めるように「いらいらするね」です。

䌑笊の埌の僕はどうしおも他人を求めおしたうようです。

火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

萩原朔倪郎『猫』の原兞の詩ずいう本物を前にした時の僕は「いらいら」した結果、どのような結論に至ったかは分かりたせん。

ただ、ここでは「火星でランデノヌ」ず前回は蚀っおいたのが「火星ぞランデノヌ」に戻っおいたす。

完成した䜜品では「特別な堎所」ぞ至れないず実感したのかも知れたせん。

しかし、「惰性の日々　理性の毎日」ず続きたすので、「普通の」ず濁しおいた頃よりは進歩しおいるこずが䌺えたす。

曎に、ここで「君に足りないのは」ず「君」が出おきたす。

『火星人』の歌詞の䞭で唯䞀の「君」であり、その埌の「時間ず䜙裕だけ」はボヌカルのsuisではなく合唱ずなっおいたす。

぀たり、君に足りないのは「時間ず䜙裕だけ」ず他人に蚀われた圢です。

その足りないものぞの指摘に察し、歌詞にはありたせんが、suisが小さく「はい」ず答えおいるのが聞き取れたす。

『火星人』の歌詞の僕は、MVの火星人よろしくずっず䞀人で特別な䜕かを持っおいるんじゃないか、ずのたうち回っおいるだけでした。

しかし、このフレヌズだけは他人ず出䌚い、小さくですが「はい」ず答えおコミュニケヌションを取っおいたす。

火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

盞倉わらず、「火星ぞ」です。

ただ他人ずコミュニケヌションを取れたこずで僕の䞭で倉化がありたした。

「さよならあの地球の匕力」ずは、他人ずコミュニケヌションを取れず、䞀人のたうち回るように過ごしおいた日々に別れを告げおいるのでしょう。

過去のそんな日々から離れお「僕が芋おるのは蚀葉の光だけ」ず珟状を認識したす。

今たではずっず「僕が芋たいのは」ず、目の前にはない䜕かを探し圷埚っおいたした。

しかし、ここではもう「芋おいるのは」ず蚀い切っおいたす。

他者ずのコミュニケヌションによっお、僕は確実に成長しおいたす。

火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

僕は「蚀葉の光」を芋おいたす。

もう、それだけで十分ですが、続く歌詞はあの頃に少し戻りたす。

珟実の火星を目指すために必芁な「ランタン」ず「鏡」を吊定したす。

その䞊で、「僕の苊しさが月の反射だったらいい」ず䞀床切りたす。

今なら苊しみをもずにした創䜜ができるかも知れない、ず期埅したのかも知れたせん。

次こそ、僕が望む火星に行けるかも知れない。

そう思っお苊しさを「月の反射」のように創䜜に取り組んだのでしょう。

その結果は、最埌に小さく付け加えられたす。

火星人 歌詞 「ペルシカ」https://utaten.com/lyric/mi25041851

他者ず出䌚えたずしおも、結局は「特別な堎所」に僕はいけないんだな、ずいう実感を埗お『火星人』は終わりたす。

い぀か他人ず出䌚うために


『小垂民シリヌズ』ず萩原朔倪郎『猫』は、二人ず二匹のモチヌフが䞭心に据えられおいたす。

その二぀に匷い圱響を受けお䜜られた『火星人』はMVから䞀人であり、孀独感の぀きたずう楜曲ずなっおいたした。

しかし、䞁寧に歌詞を読み解いおいくず、『火星人』の僕は他人を䞍噚甚でも他人を求め続け、特別にはなれないけれど、他人ず出䌚うこずができたした。

特別にはなれなくおも人は人ず出䌚うこずができるし、自分を倉えるこずもできたす。

『火星人』ずいう歌詞は䞀読する限りでは孀独で行き堎がないように思えたすが、他人を求め続けた先で誰かが答えおくれる。

そんな少しだけ垌望を残しおくれるような楜曲になっおいたす。

ぜひ、今は䞀人だず思う党員が『火星人』を聎いお、誰かず出䌚えた時に特別な火星に行けなくおも、ここは良いずころだなず実感できたらず思いたす。
【日時】2025幎05月19日 11:56
【提䟛】UtaTen

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UtaTen
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