タイ警察中央捜査局(CIB)は、大学教授を名乗る何者かが、偽の留学支援プログラムを装って学生に接触し、金銭や映像を詐取する一連の詐欺行為について注意を呼びかけた。犯人は大学の公式ウェブサイトから実在の教授の名と顔を抜き取り、それを用いてLINEのプロフィールを作成。「海外企業の内定つき」「全額奨学金」「帰国後の保証」──語られる夢は、あまりに都合が良すぎた。
やり取りは滑らかで、返信は早く、丁寧だった。話し方には隙がなく、むしろ“教育者らしい信頼感”すらあった。だからこそ、学生たちは疑わなかった。「これは本当にある話だ」そう心の中で叫んだかどうかは不明だが、その確信こそが、落とし穴だったのかもしれない。
送金を求められたのは、ビザ申請費やステートメント作成料、渡航準備金──どれもが、もっともらしい名目だった。さらに女子学生には、奨学金の条件として「身体に刺青がないか確認する必要がある」として、ビデオ通話中に服を脱がされるよう指示された例も確認された。記録は密かに保存され、やがて脅迫の道具と化した。
それは希望だったのか、あるいは静かに仕掛けられた悪意だったのか。果たして、その真偽を見極められるのは、天のみだったかもしれない。
CIBは改めて、すべての学生および保護者に警告する。本物の支援は、個人口座に振り込ませたりはしない。本物の奨学金は、誰かを裸にさせたりしない。信頼のように見えるものが、信頼である保証は、どこにもないのだ。
タイ中央捜査局(CIB)プロフェッショナルで中立、国民と共に。
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