
チュラロンコン大学医学部臨床ウイルス学センターのヨン・プーワラワン博士は2025年6月17日、自身のFacebookで、タイ国内における新型コロナウイルスの主流株が「NB.1.8.1」に置き換わったと明らかにしました。
ヨン博士によると、「NB.1.8.1」は以前の変異株と比べて感染力が非常に高く、特に過去1か月で患者数が急増。バンコクでの分析を中心とした調査では、ほとんどの感染者がこの株によるものであり、すでに全国的にも主流株となっている可能性が高いとしています。
一方で、重症化のリスクは低く、特に健康な子どもや学生においては症状が非常に軽い傾向にあると述べました。また、この流行はすでにピークを迎えており、今後は感染者数が減少に転じるとの見通しも示しています。
ただし、「NB.1.8.1」は、これまでにワクチン接種や感染によって得られた免疫を回避する能力があるとみられ、再感染が多く確認されていると指摘。ワクチンの効果が追いつきにくくなっている現状から、今後は自然感染を通じた免疫獲得が中心になるとの見方も示しました。