台湾総統の賴清徳氏は7日夜、米国で経済・貿易協議を進めている台湾交渉チームとビデオ会議を行った。(写真/総統府提供)台湾の賴清徳総統は7日深夜、米国で経済・貿易交渉を進めている台湾代表団とテレビ会議を行い、交渉の進捗状況について直接報告を受けた。総統府は8日、賴総統が会議で行政院副院長の鄭麗君氏や総合貿易交渉代表の楊珍妮氏ら交渉チームの労をねぎらいながら、「国家と産業の利益、国民の健康、そして食料安全保障」を交渉の核心に据え、台湾の利益にかなう正当な関税体系を勝ち取るよう改めて指示したと発表した。
総統府の報道官・郭雅慧氏によれば、賴総統は会議の中で「台湾は常に米台経済関係の深化を重視しており、互恵・補完の原則のもとで交渉を進めてきた」と強調。米国側が提示する「対等関税政策」に対しては、交渉によって米台間の貿易の均衡を図るとともに、テクノロジーや安全保障分野における戦略的な協力拡大につなげたいとの意向を示した。
会議は約50分にわたり、ワシントン側からは鄭麗君副院長、楊珍妮総交渉代表、国家安全局の蔡明彥局長、駐美代表の俞大㵢氏が出席。台北側からは蕭美琴副総統、卓榮泰行政院長、総統府の潘孟安秘書長、国家安全会議の呉釗燮秘書長、行政院の龔明鑫秘書長、総統府副秘書長の張惇涵氏、国家安全会議の傅棟成・黄重諺両顧問、副秘書長の徐斯儉氏、陳羿伶総統府事務室長らが参加し、政府の交渉への高い関心と重要視がうかがえる内容となった。
郭氏によると、賴総統は出席した官僚および現地交渉チームに対し、「専門性と柔軟さ、そして確固たる姿勢をもって交渉の難題に臨み、台湾産業の国際競争力と成長の余地を最大限に引き出してほしい」と励ましの言葉を送ったという。