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火山活動を再開した小笠原諸島の西之島について、海上保安庁は10日、「溶岩流が海上に張り出し、面積は東京ドームの約59倍に拡大した」と上空からの観測結果を明らかにした。
今月2日に航空機で西之島上空を観測した海保によると、火口内にできた新しい火砕丘の中央で、ストロンボリ式噴火が40〜60秒間隔で発生し、灰色の噴煙が高さ約500メートル上空に立ち上るようすを確認。
火口北側の2カ所にできた溶岩の流出口からは、島の南西岸に向かって流れる溶岩が見られた。
海上に張り出した溶岩流によって、海岸線は以昨年9月時点に比べて西へ約170メートル、南西方向へ約180メートル拡大。
島の面積は2.75㎢とわずかに拡大し、2013年の噴火以前に比べて約13倍、東京ドームの約59倍になった。
観測に同行した東京工業大学火山流体研究センターの野上健治教授は、「新しくできた火砕丘から見えるマグマの最上部の位置が、4月27日の観測時点と変わらないことから、地下のマグマの供給が依然として続いていると考えられる」と指摘している。
一方、国土地理院は、米航空宇宙局(NASA)のランドサット衛星が9日にとらえた最新の赤外線観測画像を公開。
それによると海保が現場観測した2日に比べて溶岩流がさらに南下して海岸線を押し広げているのがわかる。
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