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房総半島から350キロほど沖合の海底に、コバルトやニッケル、白金などの稀少な鉱物資源が広がっているのを海洋研究開発機構(JAMSTEC)などの探査チームが発見した。
本州近海の日本の排他的経済水域でレアメタルが発見されたのは今回が初めて。
レアメタルが見つかったのは、千葉県の銚子港から東南東約350キロ沖に位置する「拓洋第3海山」の北側の斜面。
古い海底火山には、周囲に「コバルトリッチクラスト」と呼ばれる希少な鉱物資源を含むマンガンと鉄の酸化物の層が存在する場合がある。
JAMSTECは昨年、本州から1800キロ離れた小笠原諸島の南鳥島近海で実施した無人探査機による調査で、深さ1100〜5500メートルの海底に位置する拓洋第5海山で、厚さ2〜8センチの板状のコバルトリッチクラストが広がっているのを発見している。
JAMSTECと高知大学、茨城大学などの共同チームは今年4月23日から5月1日にかけて、房総半島沖350キロ付近にある拓洋第3海山の深海調査を実施。
深さ1400〜5500メートルにかけて5回の潜航調査を行なったところ、水深3200メートルの斜面で厚さ13センチにもなるコバルトリッチクラストを採集するなど、調査地点すべてで5センチを超えるレアメタルの岩石層を確認した。
本州の近海でこれだけの規模が発見されたのは今回が初めてで、調査チームは今後、海水に含まれる酸素濃度や海水の成分が海底資源の化学成分にどのような影響を与えるのかなど、詳細な成分分析を進めていくとしている。
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