🌍ホープフルS2017 ジャンダルムはビリーヴの仔じゃなかった？

NO.6007060 2017/12/27 21:26:43

ホープフルS2017 ジャンダルムはビリーヴの仔じゃなかった？

■マイルで連勝ジャンダルムがさらなる距離延長に挑む
いよいよ今年から始まる2歳中距離路線のG1、ホープフルS。

モーリスの全弟ルーカスなど出走表には素質馬が目白押しなのだが、自他いろいろな意味で大注目なのがジャンダルム（牡2・池江泰寿厩舎）である。

マイルの新馬戦を危なげなく勝ち、さあ次はどうするのかと思ったら同じくマイル重賞のデイリー杯へ駒を進め、9頭立ての5番人気に甘んじながらも直線力強く抜け出し快勝。

粒そろいの2歳馬戦線で一躍主役に躍り出てきた。

こうなれば絶対次は「朝日杯FS」だろうと見ていたところ、陣営はなんとさらなる試練を若駒に課した。

距離二千の中山・ホープフルSへ向かうと決めたのである。

■母は泣く子も黙るスプリンター・ビリーヴだけに
「なぜホープフルSへ？」といぶかるファンは、彼の血統背景をよく知っているからこそ。

ジャンダルムの母・ビリーヴは、スプリンターズSと高松宮記念を勝った名牝。その後アメリカに渡って繁殖生活を送り、向こうの一流種牡馬をつけてはこちらで走らせるスタイル。

ところが初仔のファリダットを筆頭に、最近のフィドゥーシアまで、どんな米系種牡馬をかけても出てくるのは結局「スプリンター」。

やっぱ、母の血が強いんじゃね？ということで、POGではそろそろ指名を「見切る」ファンもいるほど。

ところがこのジャンダルムはちょっと違う。

レースぶりに「距離はギリギリ」的危うさがなく、周囲の心配をよそにマイルの重賞まで勝ってみせた。

そこには血統面でこれまでと違う特徴があるからだと、オジサンはにらんでいる。

■ジャンダルムはビリーヴの影響を受けていない
繁殖牝馬が9歳時の産駒は、母の血統的影響を受けないと言われる。そして回り回ってさらに8年経ち、母17歳時の産駒もまた母の影響を受けない。

ジャンダルムは母ビリーヴの17歳時の産駒であり、ビリーヴから先の祖先はいっさい影響なし。

よって、本来なら有効なはずのNorthernDancerら3本のインブリードも全く影響なし。

さて本題はここから。ではジャンダルムの資質は母以外のどこから来たものか、という疑問がわいてくる。

ここで自身の毛色である「黒鹿毛」を頼りに祖先をたどってみよう。

父Kitten’s Joyが栗毛、祖父El Pradoが芦毛という時点で、ジャンダルムは直父系の影響も薄いことがわかる。

唯一残った父Kitten’s Joyの栗毛が来ている父の母系をたどると、1頭のある黒鹿毛の種牡馬にたどり着く。

それがL’Enjoleur（ランジョルール）という、ちょっと聞き慣れない名前の古い馬だ。

■ランジョルールの得意科目とは
ランジョルールはカナダ生まれの名馬。

ノーザンダンサー牝馬にバックパッサーという有名なニックス配合で生まれ、1975年のカナダ年度代表馬に選ばれている。

全成績は30戦15勝、カナダG1含む重賞勝ち多数で、主にダートの8.5ハロンあたりで活躍したが、実はこの馬も父バックパッサーの9歳時産駒。

そのためどちらかといえば母父ノーザンダンサーの影響が強く、自身芝も走れる柔軟性があり、現に勝利を挙げている。

もしジャンダルムがこの祖先の影響を強く受けているとしたら、マイルがピッタリなのは当然であり、将来的にはダートのフェブラリーSやドバイ競走（どれでも）へと道が開ける血統とも言える。

かなり今までの兄弟とはちがった資質を秘めていそうなのだ。

■それでも中山二千は大きな関門である
中山二千で行われる皐月賞が「逃げても苦し、差しても苦し」と言われるように、舞台設定としては純粋なスピードよりは持続力、器用さが求められることは間違いない。

ジャンダルムにとって最初の試金石がG1というのも酷な話だが、それを乗り越えた先に、兄妹も、そして母もなし得なかったクラシック制覇の夢が見えてくる。

【日時】2017年12月27日
【提供】YAZIUP

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