2025年9月13日(土)・14日(日)に開催を控えている「ULTRA JAPAN 2025」。今年のメインステージに名を連ねたのはメロディックEDMシーンの寵児、Gryffin (グリフィン)。繊細かつエモーショナルなメロディでリスナーを包み込む彼のサウンドは、熱狂と感情の高まりを自在に行き来する「新時代のマエストロ」と称される存在だ。そんなGryffinの魅力をこれまでのキャリア、作風、DJスタイル、そして初心者にもおすすめしたい5曲とともに解き明かす。
■ 「メロディックEDMの革命児」Gryffinとは?
[caption id="attachment_35830" align="alignleft" width="768"] Gryffin Official Photo[/caption]GryffinことDan Griffithは、元々はクラシックとピアノを学び、大学ではエンジニアリングを専攻していた異色の経歴を持つ。ギタリストとしてのルーツもある彼は、EDMというジャンルに「生楽器の温もり」を持ち込んだ第一人者としても評価されている。2015年、Maroon5「Animals」やYears & Years「Desire」のリミックスによりその類まれな才能を世に知らしめてきたが、彼が一躍シーンの表舞台に躍り出たのは、2016年のデビューEP『Heading Home』によってだろう。Spotifyでは累計1億回再生を超えるこの曲で、Gryffinは「ギターのフレーズを軸に展開する、メロディ先行型のEDM」という新たな路線を確立。「僕の音楽は、まずアコースティックギターから始まるんだ。そこにピアノとストリングスを重ねて、最終的にビートを乗せる。だから、僕にとってEDMは感情の表現手段なんだ」(米Billboadインタビュー)2019年には待望のフルアルバム『Gravity』をリリースし、Billboardのダンス・エレクトロニック・チャートで1位に輝く。2022年には2ndアルバム『Alive』を、2024年には3rdアルバム『PULSE』を発表。特に『PULSE』ではArmin van Buurenなどとコラボし、時流に乗りトランスやレイヴ・サウンドにも挑戦。またKygoやIllenium、MAX、Tinasheなど、多彩なコラボレーターとともにジャンルを横断するその姿勢は、ダンス・ミュージックの自由度を拡張し続けている。
■ エモーショナルなメロディと柔軟なプロダクションの魅力
Gryffinのサウンドは、いわゆるEDMの激しいドロップに頼らない。その代わり、ギターアルペジオやシンセパッドによる浮遊感のあるイントロから入り、ヴォーカルのエモーションを最大限に引き出す構成が彼の魅力だ。彼の曲には、「愛」「別れ」「希望」「再生」など普遍的なテーマが込められており、ドロップ前のブレイクはまるで映画のワンシーンのようなドラマティックな感情を観客に想起させる。「感情のグラデーションが好きなんだ。泣きたいわけじゃなくても、ふと心が動かされる ー そんな瞬間を曲で作りたいと思ってる」(Apple Musicインタビュー)その繊細さはリスナーの「日常に寄り添うEDM」としての立ち位置を確立。ナイトクラブだけでなく、むしろドライブや日々の生活のBGMに合うという声も多い。2022年のシングル「You Were Loved with OneRepublic」ではポップとEDMの完璧な融合を実現。フロントマンのRyan Tedderとの共演はメインストリーム層にも彼の音楽を広く届けた象徴的な一曲となった。
■ メロディックからハード、そしてギター:「ハイブリッド・ライブセット」の体現者
Gryffinは単なるDJではない。彼のステージにはエレキギターや、時にはキーボード、ドラムパッドが並び、リアルタイムで生演奏とミックスを行うハイブリッドさが代名詞だ。「全部CDJで回すだけじゃ物足りなかった。リアルタイムで演奏しながら音に命を吹き込む ー それが僕の理想のステージなんだ。」(Live Nationインタビュー)ULTRA MIAMIやCoachellaでも披露されたこのスタイルは、観客に「今この瞬間にしか生まれない音楽体験」をより強く届けれらる手段。特にギターリフからそのままブレイクやドロップに展開するは圧巻で、まるでロックバンドとDJの共演を観ているかのような高揚感がある。昨年の来日公演でも見せたように、パブリック・イメージとなるエモーショナルな展開に加えて、ヘヴィーなダブステップ、没入感を演出するテクノやトランス、疾走感溢れるドラムンベースなど様々なジャンルも積極的に取り入れ「ダンスミュージックの今」を見せてくれる。ULTRA JAPAN 2025でも、このDJ + ライブという彼の音楽を「感じる」体験となるのは間違いないだろう。
■ ULTRA JAPAN 2025で体感したいGryffinの5曲
数多くの名曲の中から、Gryffinに初めて触れる人にも彼の世界観が伝わるオススメ5曲を紹介する。1. Feel Good feat. Illenium, Daya (2017年)彼の代名詞ともいえるヒット曲にして、メロディックEDMの代表曲。透明感のあるシンセとDayaの歌声が心を癒すFuture Bassの代表作でもある。2. Tie Me Down feat. Elley Duhé (2019年)Gryffinのポップ路線の代表作にして、多くの人に“Gryffinの入口”となった楽曲で、ここ日本でも愛されている人気の1曲。キャッチーなフックとアコースティックギターの温もりが切ないメロディと融合。彼の音楽家としての力量が発揮されている。3. All You Need to Know feat. SLANDER, Calle Lehmann (2019年)フェスのピークタイムにも合うエモーショナル・アンセム。映画的スケール感を持った壮大なシンセとエモーショナルなリフレインが響きフロアの感情を一気に解放する。SLANDERも今年のULTRA JAPANに出演が決定しているので、もしもサプライズ共演があったら、なんてのを期待してしまう。4. Body Back feat. Maia Wright (2019年)こちらも日本おダンスフロアで今だに愛されるポップスとEDMの融合。キャッチーなメロディとダンサブルなビート、Maia Wrightの歌声と歌詞の美しさがフロアをポジティブな感情で包み込んでくれる。5. Air feat. Excision, Julia Michaelsヘビーダブステップの帝王Excisionとグラミー賞シンガーJulia Michaelsを迎えた最新シングル。Gryffinのメロディとフェス映えする重低音、そしてJuliaの壮大な歌声が見事に絡み合い化学反応を起こした1曲。Gryffinの音楽は、フロアの高揚と観客の内に秘めた感情とが混ざり合う。ULTRA JAPAN 2025のラインナップに彼の名があることは音楽の熱だけでなく、優しさや深みをも内包することを意味している。EDMのパワフルな側面だけでなく、エモーショナルな共感を生む。きっとGryffinはその奇跡の瞬間を届けてくれるに違いない。現在『ULTRA JAPAN』では、オフィシャル先着先行チケットの第1弾が発売中。『ULTRA JAPAN 2025』の公式サイトや各チケットベンダーを通じて購入可能となっている。 また、2024年に新設され話題となった23歳未満限定の『U-23チケット』も引き続き販売されており、若年層にとってさらに手に取りやすい価格設定となっているのも注目ポイント。2014年から始まり、記念すべき10周年を迎える『ULTRA JAPAN 2025』――その熱狂の瞬間を見逃さないためにも、チケットは早めにチェックしておきたい。 以下より詳細をチェック。