
イスラエル軍は4月27日、再び停戦協定を破り、レバノンの首都郊外を空爆した。
ベイルート南部の郊外を空爆
イスラエルは昨年11月、レバノンと停戦協定を結んだが、27日にはそれを破り、首都ベイルート南部の町、Dahiyehを空爆した。
この攻撃で複数の建物が被害を受け、窓ガラスが吹き飛び、複数の車も損傷し、市民の間ではパニックが広がったという。
この攻撃の前にイスラエル軍は警告を行っており、死者は出ていない。またイスラエル軍はその後、「ヒズボラの精密ミサイルを保管していた施設を攻撃した」と明らかにした。
しかし、その主張を裏付ける証拠は提示されていない。
イスラエル軍は今年の3月や4月にも停戦を破り、度々レバノンを攻撃している。レバノンのJoseph Aoun大統領は、停戦を仲介したアメリカとフランスに対し、「責任を果たし」、イスラエルに違反行為をやめさせ、圧力をかけるよう求めた。
イスラエル領内にもドローンが飛来
一方、イスラエル領内にも27日には、ドローンが飛来。イスラエル軍は、東から飛来したドローンを撃墜したと発表したが、どこから発射されたのか、は明らかにしていない。
イエメンの「フーシ派」は、これまでもガザ地区への攻撃を止めさせるため、度々イスラエルに向けて、ミサイルやドローンを発射している。
そのイエメンに対しては、アメリカ軍が攻撃を継続しており、「サバ通信」は27日、北部アムラン州のハルフ・スフヤーン地区で、2回の攻撃があったと報じている。
また4月28日には、アメリカ軍がイエメンの首都サナアやSaada県へも攻撃を行ったという。
これに対し、イエメンの「フーシ派」は28日、報復として、アメリカ海軍の空母「ハリー・S・トルーマン」とその他の艦艇を標的に、多数の巡航ミサイルや弾道ミサイル、ドローンを発射した。
「フーシ派」は、これらの攻撃により、空母「ハリー・S・トルーマン」が撤退し、紅海の北部への移動を余儀なくされたと主張している。
ガザ地区では2日間で90人以上が死亡
ガザ地区でもイスラエル軍の容赦のない攻撃が続いており、4月28日には北部のガザ市や南部のハンユニスが標的にされ、特にガザ市では2回のドローン攻撃が行われた。
最初のドローン攻撃では、繁華街が標的にされ、12人のパレスチナ人が死亡。その中には4人の子供が含まれていたという。
また2回目のドローン攻撃では、10人のパレスチナ人が死亡し、数十人の負傷者がアル・シファ病院へ運ばれたそうだ。
北部のジャバリアでも、住宅が攻撃を受け、1家族のうち8人が殺害された。
南部のハンユニスでも、イスラエル軍の空爆により、少なくとも8人が死亡。4月28日には、ガザ地区全域で少なくとも44人のパレスチナ人が殺害されたという。
4月27日には中部のDeir el-Balahで2回連続して、イスラエル軍の戦闘機による空爆が行われたという。
最初の攻撃では町の西側の農地に対して行われ、犠牲者は出ていない。しかし2回目の攻撃は人口密集地に対して行われ、アル・アクサ病院の医療関係者は、パレスチナ人4人が死亡し、地元の民間人と救急車が他の負傷者を搬送したと述べている。
また南部のハンユニスではイスラエル軍のドローンによるミサイル攻撃が行われ、仮設テントにいた子供3人と女性1人が死亡したそうだ。
南部のラファや北部のガザ市東部でも攻撃が続けられ、27日の夜明け以降、少なくとも50人のパレスチナ人が殺害された。(了)