マカオ政府衛生局(SSM)は7月5日夜、マカオ域内で今年初めてとなる当地デング熱感染例を確認したと発表。
同局によれば、患者はマカオ半島内港エリアの海邊新街7號にある集合住宅に居住するマカオ人の女性(72)で、7月1日に発熱と筋肉痛の症状が現れ、私立総合病院の鏡湖醫院救急外来を受診し、服薬後に一旦熱がひいたが、4日に手足に発疹が出たことから再度同院の内科を受診。その後、同院で実施した血液検査の結果が明らかとなり、デング熱Ⅰ型に感染していることが確認されたという。患者は同局の疫学調査に対して潜伏期間中の外遊歴はなく、普段は自宅近くでの活動にとどまると説明。同局では、疫学的分析に基づき、当地感染であると判断したとのこと。
なお、患者と同住の家族に体調不良の者はいないが、影響を最小限にとどめるため、速やかに患者の住所及び周辺を対象に他に感染例がないかの調査を進めるとともに、予防的措置として蚊の発生源検査、蚊の駆除を実施済みとした。なお、患者が居住する集合住宅の共用部や別の部屋にあった花瓶でボウフラが発生している状況が確認され、同局では広く市民に対してデング熱予防対策で最も効果的な蚊の発生源の除去に努めてほしいと呼びかけた。
デング熱はヒトスジシマカが媒介するデングウイルスによる感染症。マカオにおける昨年のデング熱感染確認例は48件あり、内訳は輸入性感染が39件、当地感染が9件。輸入性事案の大半にマカオと往来が多い広東省中山市、仏山市、江門市滞在歴があった。今年はここまで今回のケースを含み輸入性感染が7件(患者にタイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、ブラジル滞在歴)、当地感染が1件となっている。
マカオ政府衛生局が患者の住居及び周辺で実施した蚊の発生源調査の様子=2025年7月5日(写真:SSM)