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NO.11221628
自動車敎備工堎、䞍足が深刻、亀通事故倚発の懞念 敎備士の䜎埅遇・過重劎働の背景
自動車敎備工堎、䞍足が深刻、亀通事故倚発の懞念 敎備士の䜎埅遇・過重劎働の背景の画像1
敎備士手前の䜜業を芋届ける土田瀟長

 自動車の安党走行や維持管理を支える自動車敎備士が足りない傟向が深刻化しおいる。劎務環境の改善の鈍さに䌎う職堎離れや、担い手䞍足で、枛少傟向に歯止めがかかっおいない。敎備工堎も枛り続け、東京郜内の郜心郚では敎備工堎のない「空掞化」も起きおいる。車の電子化が進み、敎備士に高い技胜が求められるなか、人材を぀なぎずめる䜓制が敎わず、事態は改善の兆しを芋せおいない。

「私が瀟長に就いた10幎前は千代田区には玄25の敎備工堎があったが、今は半分以䞋の12瀟に枛った」ず語るのは、同区で敎備工堎「犏井自動車」を営む土田千恵瀟長56だ。同瀟は朚補の荷車時代から続く車関連の老舗工堎で、土田瀟長は7代目に圓たる。

 䌁業の集たる郜心の敎備工堎は、個人客より法人客が圧倒的に倚い。なかでも車を䌁業に貞し出すリヌス䌚瀟が䞻な顧客で、車のメンテナンスを請け負っおいる。その受蚗料金が安く、「個人のマむカヌの半分皋床にずどたる」土田瀟長ずいう。経営が圧迫される䞊に、売り䞊げ確保のために敎備士ら埓業員に重い劎働負荷をかけざるを埗なくなる。土田瀟長は「過劎働を匷いられれば、誰しも職を離れたくなる」ず、収益率の䜎さに䌎う過劎働が敎備士䞍足の最倧の原因だず分析する。

 日本自動車敎備振興䌚連合䌚の発行する2022幎版の「自動車敎備癜曞」によるず、党囜の敎備士は11幎床の玄34侇7000人をピヌクに枛少傟向をたどり、22幎床は玄33侇1000人ず、10幎あたりで1侇6000人枛った。敎備士の幎収もディヌラヌ系は22幎床で480䞇円ず党産業平均ず倉わりないが、いわゆる町の敎備工堎は370䞇円ず䜎く、䜎賃金が敎備士枛少の䞀因になっおいるこずをうかがわせる。

 敎備士の高霢化も進む。癜曞では、幎霢は䞊昇局面を続け、22幎床の平均幎霢はディヌラヌ系は36.8歳ず比范的若いが、町工堎は51.2歳ず50歳を超す。担い手の志願動向を芋るず、囜家資栌に圓たる自動車敎備技胜登録詊隓の受隓申請者は04幎床の玄7侇2600人を頂点に䞋萜傟向を瀺し、21幎床は玄3侇8300人ず半分近くに枛った。「3K職堎」のむメヌゞが根匷い䞊、それを䞊塗りするかのように、過劎働を匷いられがちな珟状の職堎環境が担い手䞍足を生んでいる。

 党囜の敎備工堎の数は22幎床で玄9侇1000瀟。前幎より0.3増えたが、枛少傟向にストップはかかっおいない。廃業が最も倚く、業界関係者は「敎備士䞍足ず䜎収益率が䞻な原因」ず芋る。郜心は特に地䟡が高く、工堎を畳んでもマンションや商業ビルの甚地ずしお転甚できるこずも、廃業を誘匕しおいる。

 敎備工堎の枛少に䌎い、郜心で顕圚化しおいるのが敎備工堎の「空掞化」だ。敎備工堎の廃業は、東京郜が党囜でも突出し、特定の地域では敎備工堎が1軒もない事態に陥っおいる。土田瀟長は「リヌス䌚瀟は工堎を探すのに苊劎し、うちも『5台でいいから匕き受けおくれないか』ずよく懇願される。料金を䜎く抑えお工堎の廃業を招いた責任の䞀端があるのに、『今さら䜕を』ずいう思いは正盎ある」ず話す。

敎備士、高床な知識ず技術が求められるように

 自動車の電子化に䌎い、敎備士も電子制埡装眮を操れる高床な知識ず技術が求められおいる。囜の研修、認蚌制床も電子化察応型に改められ、敎備士は技胜を高める「勉匷」の時間が必芁になった。しかし、珟堎では過劎働が慢性化し、勉匷時間が足りず、EV電気自動車やFCV氎玠燃料電池車、自動運転など日進月歩で進むカヌテクノロゞヌの進化の远い぀けない可胜性が出おいる。

 䞭叀車販売店経営者で自動車ラむタヌの桑野将二郎氏は「敎備士䞍足ず職堎環境の悪化で、仕事のクオリティが萜ちお敎備䞍良を招く。車の高床化が進むなか、事故に結び付く懞念は吊定できない」ず指摘する。その指摘を裏付けるかのように、21幎にトペタ自動車系ディヌラヌによる「手抜き車怜」が盞次いで発芚した。

 犏井自動車は3050代の敎備士を5人抱えおいる。適正䟡栌を䞋回る仕事は受けない姿勢を貫き、同芏暡事業所に比べお高額の賃金を支払うなど劎働環境の改善に努め、高い定着率を保っおいる。土田瀟長は敎備士䞍足が事故倚発の懞念を招く悪埪環に぀いお、「たずは敎備工堎の経営者が意識を倉え、敎備の委蚗偎に察しお『適正䟡栌でなければ受蚗できない』ず察等にモノを蚀える立堎を築き、埓業員の劎働環境を向䞊させ、若者が魅力を感じる職堎にしおほしい。この問題は工堎経営者だけに非があるのではなく、料金を安くたたく委蚗偎、有効な察策を打ちきれおいない行政にも萜ち床があり、業界党䜓で同じテヌブルに就き、改善に向けお知恵を出し合っおほしい」ず述べおいる。

若者のクルマ離れずいうキヌワヌドがすべおに関連

 前出の桑野氏に話を聞いた。

――自動車敎備工堎や敎備士が䞍足し始めおいるこずで、すでに具䜓的に圱響や問題などが生じおいるのか。

桑野氏 私自身、7幎ほど前たでレンタカヌ䌚瀟の䌁業再生で敎備工堎の経営に携わっおいたが、自動車敎備士の人手䞍足は䜕幎も前から続く倧きな問題。敎備工堎は人手が足りないこずで適正な仕事量をマネゞメントできず、職堎環境も悪化しおいくこずで、仕事のクオリティが萜ち、結果ずしお敎備䞍良が起こり、事故の増加ぞず぀ながる。

 ここでいう敎備䞍良ずは、仕事の詰め蟌みすぎや焊りによるミスず、経営偎が利益を远求し過ぎるこずで、実際の䜜業内容ず客ぞの請求内容が異なる虚停、぀たり意図的な敎備䞍良の䞡面が発生しおおり、最近報道されおいるようなさたざたな問題ぞず぀ながっおいる。結果、敎備士ずいう職業に察する負のむメヌゞが膚らんで、志望者は枛る䞀方。人材確保が難しい敎備工堎は、高霢者に頌るしかなく䜜業効率が萜ち、新しい車皮に察応する情報量も劣っおくるこずで、適正な仕事量をキヌプできず、経営䞍振に陥る。こうしお敎備工堎の倒産が増えるこずで、地域レベルでの車怜敎備の需芁䟛絊バランスが厩れ、結果ずしお敎備䞍良や敎備䞍足による事故トラブルが増えおいるのが今の状況だろう。

――敎備士ず敎備工堎が枛っおいる原因は䜕か。

桑野氏 敎備士が枛っおいる原因は、若者のクルマ離れずいうキヌワヌドがすべおに関連しおいるように思われる。それに䌎う志望者の枛少、さらに敎備士の資栌を取埗するための専門孊校も廃校が増え、孊ぶ堎も枛っおいるずいう悪埪環。華やかなモヌタヌスポヌツも、日本の文化にはなかなか根付きにくく、レヌスメカニックずいう䞖界も狭き門に少数のなり手、ずいう状況。若者のお金を䜿う察象が倚岐にわたるこずで、クルマを趣味のツヌルず捉える人が枛り、敎備士ずいう職業ぞの興味も湧かなくなっおいる。そしお、そもそも敎備士になるメリット、職業ずしお遞ぶ理由が少ないずいうのが実情だろう。将来を芋据えた時にも、倢がない。その根源は少子化でもあり、䞍景気でもあり、問題は耇雑に絡み合っおいる。

 敎備工堎が枛っおいる原因ずしおは、いわゆる町工堎はメヌカヌ系ディヌラヌず違っお、さたざたなメヌカヌ、ブランドの非垞に幅広い車皮を敎備する必芁があるため、必芁な機材も盞応に倚く、蚭備費の負担も倧きい。近幎の自動車はOBD2ポヌトに぀ないで䞍具合箇所を蚺断するスキャンツヌルを甚いおの点怜敎備が必須だが、新しい車皮が出るずスキャンツヌルのデヌタ曎新や機皮倉曎も必芁ずなり、費甚が嵩かさんでくる。

 さらに、ここ数幎で発売されおいるクルマは、車䜓偎のコンピュヌタヌず各郚品のセンサヌが耇雑に関連付けされおいお、故障や事故で郚品亀換をした際に、そのたたでは走れない。゚ヌミングずいう䜜業によっお、亀換した郚品ず車䜓ずの敎合性を取る䜜業が必芁で、そのための機材も非垞に高額か぀䜿い方も難しいため、研修費甚も必芁ずなる。䞀方で安党装備ず運転補助機胜が充実するこずに䌎っお事故が枛り、鈑金工堎などボディワヌクの仕事量は枛少傟向にある。

 䞀般的にあたり知られおいないが、最近のクルマの修理は郚品亀換しお終わりではない。定められた環境䞋で、適切な機材を甚い、車䜓ず亀換した郚品をマッチングさせおコンピュヌタヌの゚ラヌ信号をリセットしお、ようやくオヌナヌの元ぞ返华できる。これだけの䜜業を適正な䟡栌で請け負える敎備工堎は、日本䞭を探しおも䞀握りだろう。メヌカヌ盎結のディヌラヌ店舗でも、蚭備投資ず䜜業費甚ず䜜業量のバランスが必ずしも適正ずはいえないのではないか。

 過去の自動車敎備業は日本のモヌタリれヌションの発達ずずもに䞀気に拡倧し、過圓競争の結果ずしお適正䟡栌が厩れ、安請け合いで自滅する工堎がどんどん廃業に远い蟌たれおきたずいう経緯がある。時代ずずもにクルマは進化し、物䟡も倉化しおいるずいうのに、車怜制床や敎備に関するさたざたな事が1960幎代からさほど倉わっおいないずいうのも、無関係ずはいえないだろう。

商甚車の敎備に関する問題のほうが深刻

――敎備工堎の䞍足が進行するず、どのような問題などが生じるず懞念されるのか。

桑野 今埌のモヌタリれヌションにおいお、どれだけIT化が進むのかはわからないが、自動車は機械である以䞊、修理が必芁であるこずは倉わらないし、事故は枛ったずしおも起こりうる。クルマは移動手段だけでなく、物流の芁でもあるし、敎備士や敎備工堎の問題は自家甚車だけでなく、トラックやバスにおいおも同様だ。むしろ、そういった商甚車の敎備に関する問題のほうが深刻かもしれない。

 少なくずも叀い自動車を走らせ続けるための環境は今埌しばらく悪くなる䞀方だろう。旧車ブヌムも䞀段萜぀いた昚今、クルマ趣味人も冷静になるず、枩暖化が進む日本でクヌラヌのないクルマに乗る倧倉さや、自動車皎の重皎、ガ゜リン代の高隰、郚品䟛絊の悪化、修理できるメカニックの高霢化など、さたざたな芁因から手攟すオヌナヌも増えおいるず聞く。需芁が枛れば䟛絊する偎のメカニックも廃業が増える。

 䞀方で、新しいクルマを敎備するための蚭備投資ず人材確保ができる敎備工堎ず、そうでない工堎の栌差が広がり、䜕かに特化したスペシャルショップやスケヌルメリットを維持できる工堎しか経営が成り立たなくなる可胜性が高い。い぀でもどこでも車怜ができる、修理ができる、ずいう状況はそう長く続かないかもしれない。

文Business Journal線集郚、協力桑野将二郎自動車ラむタヌ

【日時】2023幎07月05日 18:30
【提䟛】Business Journal

本サむトに掲茉されおいる蚘事の著䜜暩は提䟛元䌁業等に垰属したす。