
アメリカ・フロリダ州の気象予報士が、ハリケーンシーズンを迎える中、衝撃的な発言をした。
予算削減、骨抜き、科学への攻撃
NBC 6 サウスフロリダの気象予報士、ジョン・モラレス氏は6月2日の夜、番組内で2019年のハリケーン「ドリアン」を取材した時の映像を紹介した。
2019年の映像において、モラレス氏は、ハリケーンが方向転換し、フロリダ州への直接的な影響はないと予測していた。
そして実際に、モラレス氏の予測通り、ハリケーン「ドリアン」はフロリダ州に上陸することはなかったという。
映像が終わった後、モラレス氏は番組の中で、6年前は住民にハリケーンが方向転換すると「自信を持って」伝えることができたが、今シーズンは同じようにはできないと主張。次のように語った。
「私は現時点で、今年はそれ(正確な予測)を実現できるかどうか、確信が持てないことをお伝えします。(トランプ政権の)予算削減、骨抜き、そして科学全般への強硬な攻撃のためです」
収集されるデータが減少
トランプ政権の予算削減は、フロリダ州中部と南部にまたがる国立気象局の事務所で、深刻な人員不足を引き起こしているという。
モラレス氏は、その結果、気象観測気球の打ち上げ回数が減り、収集されるデータも減少していると説明。「そして、予報の質が低下し始めていることが、分かり始めています」と述べた。
モラレス氏によると、トランプ政権による予算削減は、米国海洋大気庁(NOAA)が実施するハリケーン偵察ミッションの飛行回数も減少させる可能性があるという。
NOAAのウェブサイトには、「研究飛行と偵察飛行の両方から得られる情報は、脆弱な大西洋岸とメキシコ湾岸に居住する人々と、そこを訪れる人々の安全に直接貢献しています」と記載されている。
モラレス氏は「この情報がなければ、私たちは目隠し飛行をしているようなもので、ハリケーンが海岸線に到達する前に、その強さを正確に把握できないかもしれません」と警告した。
イーロン・マスク氏が率いた政府効率化省(DOGE)は、連邦政府機関の予算を大幅に削減し、連邦職員も大量に解雇しており、ここ数週間で、NOAAの職員の10%にあたる約1000人が削減(解雇など)されたと報じられている。(了)