日本の前経済安全保障担当大臣で現職の衆議院議員・小林鷹之氏が訪台し、26日午前に台湾の蕭美琴副総統を表敬訪問した。(写真/湾総統府提供)日本の自由民主党所属で前経済安全保障担当大臣を務めた小林鷹之衆議院議員は、6月25日から台湾を訪問し、賴清徳総統、蕭美琴副総統、韓国瑜立法院長、顧立雄国防部長、林佳龍外交部長など政府高官と相次いで会談を行った。27日に離台予定。
26日午後に台北市で記者団の取材に応じた小林氏は、「台湾をいかなる時も孤立させてはならないという強い思いを持って今回の訪台に臨んだ」と述べ、日台間の「三つの絆」の強化を訪問の目的として挙げた。特に、賴清徳総統との会談での発言が印象に残ったと明かし、「インド太平洋地域の平和と安定において、日本にはリーダーシップを発揮してほしい」という賴総統の言葉に強く心を打たれたという。
小林氏はこれまでに経済安全保障担当大臣、内閣府特命担当大臣(科学技術・宇宙政策)や防衛政務官などを歴任し、日本の安全保障政策に精通する若手有力議員。昨年の自民党総裁選では初出馬ながら第5位となり注目を集めた。
今回の訪問では、25日に賴清徳総統への表敬訪問を皮切りに、立法院の韓国瑜院長、国防部の顧立雄部長を訪問。26日午前には蕭美琴副総統との会談、午後には林佳龍外交部長との昼食会を通じて、幅広い分野での意見交換を行った。
林部長は同日夜、SNSで「小林議員とは“非レッドサプライチェーン”における協力について深く語り合った」とし、台湾の「戦略的三つのチェーン」として、民主的価値連鎖(バリューチェーン)、第一列島線、非レッド供給網を提唱。特に、半導体、水素エネルギー、AI、ドローン分野などで日台の高度な補完性を活かした協力を強調した。
外交部長林佳龍(左)26日午宴に現職の日本国会衆議院議員小林鷹之一行が訪台した際の写真。(林佳龍のFacebookより)訪台の目的を明かす 小林鷹之:いかなる時も台湾を孤立させない
訪問2日目の記者会見で小林氏は、台湾との絆には「歴史的な絆」「経済的な絆」「心の絆」の三つがあると述べ、「今回の訪問ではこれらの絆を戦略的に強化したい。いかなる時も台湾を孤立させない、という信念を持って来た」と語った。
また、日本放送協会(NHK)からの質問に対しては、賴総統との会談では経済安全保障や日台協力の具体的な課題について議論し、予定を超える1時間半に及んだと説明。小林氏は「賴総統にはまだまだ話したいことがあったようだった」と述べ、今後も継続的な交流に意欲を見せた。
さらに、読売新聞の取材に対しては、「非レッドサプライチェーンの構築は、台湾との経済安全保障政策と深く関わっている」とし、「訪問は極めて有意義だった」と総括した。
今回の訪台を通じ、小林議員は台湾の政財界リーダーとの対話を通じて、日台関係の深化と地域の安定に向けた協力体制の構築に強い意志を示した。