
タイ保健省は2025年6月30日に記者会見を開き、雨季に増加しやすい感染症への注意を呼びかけました。特に新型コロナウイルスとインフルエンザの患者が急増しており、広範囲で集団感染も確認されています。各報道が伝えています。
コロナ感染者は50万人超に
2025年に入ってからの新型コロナ感染者は累計54万5,000人を超え、死亡者は200人以上にのぼりました。亡くなった方の多くが高齢者で、持病を抱えていたケースも複数確認されています。集団感染の報告は40件近くに達し、その多くが学校で発生しています。
また、現在主流となっているウイルス株「NB.1.8.1」は、世界保健機関(WHO)が5月に「注目すべき変異株」として指定。重症化のリスクはまだ明らかになっていませんが、引き続き動向が注視されています。
インフルエンザも流行中、特に子どもに多く
インフルエンザは今年、1月から6月までで累計38万人以上の感染が報告され、死亡者も50人を超えました。特に5〜9歳の子どもを中心に感染が広がっており、学校内での集団感染も複数発生しています。
検出されたウイルスは主にA/H1N1型で、昨年よりも感染者数は多い状況が続いています。
デング熱も警戒を
今年のデング熱患者数は約2万人。例年よりはやや少ないものの、北部や南部での感染拡大が目立ち、学齢期の子どもが主な感染者層となっています。死亡例では、45歳以上の中高年層に重症化の傾向が見られます。
感染症対策のポイント
保健当局は、以下の対策を推奨しています。
・人が多く集まる場所ではマスクを着用
・こまめな手洗いやアルコール消毒を徹底
・呼吸器症状が出た場合は外出を控え、十分に休養をとる
・高リスクの人は毎年インフルエンザワクチンの接種を(公立病院などで無料接種可)
デング熱対策も忘れずに
・蚊よけのスプレーや長袖の着用
・森林や農村部で宿泊する場合は蚊帳を使用
・高熱が数日続く場合や、頭痛・倦怠感・発疹が出た場合は速やかに医療機関を受診
・パラセタモール以外の解熱剤の使用は避ける