
タイ政府は、カンボジアとの国境情勢の影響で人手不足や輸出の停滞が続く果物農家を支援するため、収穫作業への支援を強化しています。2025年7月9日にタイ政府メディアNNTが伝えています。
北部ではこれからロンガンの収穫が本格化する見込みで、政府は軍や矯正施設の受刑者を動員し、作業の人手を補っています。すでに東部では約1万トンの果物が政府主導のプログラムを通じて流通しており、今後はロンガンに加えて、マンゴー、ライチ、パイナップルなど北部の作物に対応が移ります。
また、輸出先の多様化も進められており、インドや中東、中国の地方都市などでの販売強化に取り組んでいます。これにより、周辺国との貿易減少による損失の一部を補う狙いがあります。
国内市場では、全国のセブンイレブン店舗を通じた販売も展開中で、これまでにマンゴスチン約70トンが1キロ40バーツで販売されました。今後はロンガンや南部産果物にも対象が広がる予定です。
供給過剰への備えとしては、加工工場の支援や販促キャンペーンの実施、商工会議所との連携などが進められており、価格の安定と農家の収入確保を目指しています。