政府が「健康寿命延伸」と「地域医療強化」政策に本腰
ベトナム政府は、2026年からすべての国民を対象に年1回の無料健康診断を実施することを決定した。これは、国民の健康状態を定期的に評価し、病気の早期発見や予防を強化することを目的とするもので、社会保障政策の大きな転換点となる。
この方針は、党中央政治局の新たな議決案の一環として打ち出されたもので、「全人民の健康管理と予防強化」を掲げ、健康格差の解消と長寿社会の実現を目指す。
議員や医療関係者は、この施策が単なる無料診断にとどまらず、初期医療の強化、電子健康記録の導入、医療従事者の地方配備、医療機関の設備改善などと連動する「包括的な保健改革」であると指摘する。
一方で、資金調達や制度設計、医療人材の育成と分配、IT基盤の整備など、多くの課題があることも認識されている。特に医療費の自己負担率を現行の40%近くから30%以下に下げることが重要視されており、健康保険財源の見直しや、酒・たばこへの課税の一部を医療財源に充てる案も検討されている。
今後の展望として、国は2045年までに「平均寿命80歳超」「持続可能な健康寿命の延伸」「高度医療サービスの普及」を目指しており、無料健康診断の定着はその第一歩となる。
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