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東京・立川市の小学校7校で起きたノロウイルスによる集団食中毒事件は、東京都の調査で給食の親子丼に使われた刻み海苔が原因だと判明したが、製造元がある大阪市によると、販売した「東海屋」では、製造加工を別会社に委託しており、和歌山県など7都府県に流通していることが明らかになった。
集団食中毒事件が発生したのは2月17日夜。
立川市の学校給食共同調理場で前日16日に給食に出された親子丼を食べた小学校の児童と教師合わせて1098人が食中毒にかかったというもの。
患者41人の便や嘔吐物から、遺伝子型が一致するノロウイルスが検出されたことから、東京都では給食が原因の食中毒だと断定したが、調理スタッフや調理施設、15日〜17日までの3日分の給食からはウイルスが検出されなかったため、原因食材の特定が急がれていた。
こうしたなか、学校給食共同調理場の仕入れ先に保管されていた未開封の刻み海苔からノロウイルスが検出され、患者のウイルスとも遺伝子型が一致。
事態は一気に動き出し、原因食材は16日に提供された親子丼にかかっていた刻み海苔であることが特定された。
東京都からの通報を受けて、刻み海苔の販売元がある大阪市が「東海屋(大阪市都島区)」に自主回収を指示したところ、製造加工を「いそ小判海苔本舗(大阪市北区)」に委託している事実が浮上。
流通先を調べた結果、ノロウイルスに汚染している可能性が高いとされる賞味期限が「2017年12月1日」の「きざみのり」は、東京都や大阪府、兵庫県などの7都府県に、学校給食用や業務用として、100グラム入り袋が計490袋販売されていることが判明した。
このうち、31袋を仕入れた和歌山県の卸業者は、御坊市の給食センターに納入。
同市では今年1月下旬、幼稚園と小中学校で給食を食べた計719人の集団食中毒が起きており、原因だと考えられるメニューに、海苔を使った「ほうれん草ともやしの磯和え」があったことから、関連性が疑われるが、御坊市教育委員会によると、「現時点では原因食材が特定されていない」という。
一方、立川市は原因食材の特定を受けて、学識経験者や専門家による「食中毒再発防止対策検討委員会」を設置し、再発防止策がまとまるまでは、学校や保育園、学童保育所などで「海苔」を使用しないことを決めた。
学校給食共同調理場では今月いっぱい給食の提供を停止する見通しだという。
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