近年、国内のAmazonには「中国輸入」の商品が増加傾向。同様にマーケットプレイスには中国人の方のセラーが増えています。背景にはアリババをはじめとする、中国国内のECサイト/卸しサイトと日本のAmazonの「価格差」があります。国内外のセラーがAmazonマーケットプレイスに登録し、アリババなどから仕入れた商品を販売し、価格差から利益を得ています。

Amazonの中国輸入ビジネスの主な流れは以下の通り。【1】セラーが中国輸入業者に商品発注 【2】輸入業者が卸しサイトなどから買い付け 【3】輸入業者が商品をセラーのAmazon倉庫に納品 【4】一般消費者がAmazonで商品購入 【5】Amazonからセラーに対して入金 なおセラーが中国輸入に強いパイプがある場合は業者を介さず直接アリババなどから仕入れを行うケースも
こうしたセラーの増加によって、Amazonで商品を検索すると、上位に表示される商品には「あまり聞いたことのないメーカー」ながら「激安」で「高評価」なものが多い状況が生まれています。
国内の正規品や、有名メーカーの商品に絞って検索し購入したい方にとってそれらの製品情報はノイズでしょう。今回はAmazonの怪しい中華業者の商品を検索で除外する方法を解説します。
怪しい商品を検索から除外した方が良い理由
怪しい商品を検索から除外することで、Amazonマーケットプレイスでセラーが販売する「中国輸入の商品」の購入を事前に避けることが可能です。
これらの商品はAmazonが倉庫から発送するだけで、実際には別の業者が出品・販売していることが多いです。中国の卸しサイトの製品も近年は品質が向上しているものの、中には粗悪品がまぎれていることもまた事実。粗悪品を返品する手間を考えると、はじめから「中国輸入の商品を省いて検索する」のが効率的です。

Amazonで怪しい商品を除外検索する方法は「URL末に特定の文字列を付ける」「スマホアプリ上での絞り込み」「Chrome拡張を利用する」の3通り。いずれの方法でもマーケットプレイス出品者がすべて除外されます。Amazonが出品している商品はメーカー正規品がほとんどで、まったく知らない販売業者よりは信頼度が高いです。総じて、買い物の安全性が上がります
【PC】Amazonで怪しい商品を除外検索する方法 | URLの末に特定の文字を付ける
怪しい中華商品を除外検索するには「Amazonが出品している商品だけを検索結果に表示する」のが基本です。
パソコンでAmazonが販売する商品だけを検索するには、商品検索結果のURL末尾に「&emi=AN1VRQENFRJN5」を追加します。これで、Amazon以外の販売会社の商品は表示されなくなります。
実際にAmazonで「充電器」を検索して、検索結果を比較してみましょう。まずは「充電器」の通常の検索結果は以下の通りです。一切の絞り込みや除外検索はしていません。

検索結果ページの上段、3分の2のスペースを広告枠が閉めています。また検索上位の製品は中国メーカーの製品が多く、実際に中国人セラーの方が販売しているケースも見られました(2022年11月時点)
実際に、URL末尾に「&emi=AN1VRQENFRJN5」を足して充電器を検索した結果は以下の通りです。

検索結果ページの最上部に「広告」ではなく「検索上位の製品」が並びます。通常検索時には表示されなかった「エレコム」の製品が上位表示されていることが特徴的。また「高評価」のリコメンド製品欄にも、国内の中小企業の製品が主に並んでいます。マーケットプレイスの出品者を除外検索するだけでなく、検索結果上で「スポンサープロダクト」ではなく「検索上位の製品」をチェックしたいときにも、コマンドとして有効です
なお、同様の検索結果の傾向は「充電器」だけでなく「パソコン」「Tシャツ 長袖」などの検索キーワードにも見られました。2通りの検索結果を比較して、どの製品を買うか検討するのがおすすめです。
【スマホ】Amazonアプリで出品者を「Amazon.co.jp」でフィルタリングする
スマホのAmazonアプリで検索結果をAmazonが出品した商品に絞り込むには、「絞り込み」メニューを使いましょう。カテゴリーを限定していくと、出品者で「Amazon.co.jp」が指定できるようになります。
実際に「充電器 アイフォン」という検索キーワードで、出品者を「Amazon.co.jp」で絞り込む手順は以下の通り。

【1】「充電器 アイフォン」とAmazonアプリで検索します 【2】検索結果上で絞り込みメニューを開くと、向かって左に絞り込み可能な項目が一覧表示されます

【3】任意のメニューで絞り込みをします。今回はiPhoneの充電器を探していたため「ライトニングケーブル」というサブカテゴリで絞り込みました【4】絞り込みした上で「プライム&配送」のメニューを確認すると、出品者一覧が表示されました。Amazon.co.jpを選択すれば完了です
【Chrome拡張】「AmazonSeller Filter」を利用する
URL末尾に「&emi=AN1VRQENFRJN5」を付ける方法での検索では、「手間」が課題。毎回文字列を手入力したり、アドレスバーを操作するのがめんどくさいと感じる方が多いでしょう。
そこで役立つのがChrome拡張の「AmazonSeller Filter」。インストールして有効にしておくだけで、「&emi=AN1VRQENFRJN5」の指定と同様に、Amazonが販売/発送する商品だけを対象に検索可能です。
まずはChromeウェブストア内の配布ページから拡張機能をインストールしましょう。
●AmazonSeller Filterは→こちら

Chromeで「AmazonSeller Filter」の配布ページにアクセスし、「Chromeに追加」をクリックします

確認画面が表示されたら、「拡張機能を追加」をクリックします

ツールバーの「拡張機能」アイコンをクリック。「AmazonSeller Filter」の右にあるピンのアイコンをクリックすると、ツールバーにアイコンが固定され、より使いやすくなります
拡張機能をオンにすれば以後、特別な操作は不要です。いつもと同じようにキーワードを入力して検索すれば「&emi=AN1VRQENFRJN5」同様に商品が自動的に除外され、Amazonが出品している商品だけが検索結果に表示されます。

なお拡張機能が不要な場合は、「AmazonSeller Filter」のアイコンをクリックし、グレーの状態にしましょう。たとえばプライムビデオやAmazon Musicの検索の際には「セラー」は存在しないため、オフにすることをおすすめします
まとめ
Amazonのマーケットプレイス製品を検索から除外することで、アリババなど中国の卸サイトから輸入された「怪しい商品」の購入を事前に避けるコツを解説しました。
いずれの方法でも「Amazon.co.jp」が販売し、配送する製品のみを検索結果に表示することが可能。また副次的な効果として、検索結果の一覧にスポンサープロダクトなど広告枠よりも「検索結果」そのものが上位表示される傾向もあります。「Amazonの検索結果が信頼できない」「粗悪品の購入リスクを少しでも減らしたい」方には、いずれかの検索方法を取り入れることを強くおすすめします。
※サムネイル画像(Image:DVKi / Shutterstock.com)