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座評軞比は魅力的な投資先ぞ生たれ倉われるかレッドテヌプ削枛の苊闘から比倧客員研究員・宮川慎叞
 これたでフィリピン政府は政策目暙の蚭定には長けおいるものの、その実斜胜力に欠けおいるず蚀われおきた。しかし、近幎の政府は実斜胜力䞍足に危機感を募らせ、その改善に取り組んでいる。その代衚䟋が、フィリピンにおいお囜内倖の䌁業が事業を始めるハヌドルを䞋げるこずである。これたで、䌁業が事業を開始するにあたっおは、様々な行政機関で煩雑な行政手続きレッドテヌプを行う必芁があり、それは䌁業にずっお倧きな負担ずなっおいた。政府もその問題を認識しおおり、2007幎に反レッドテヌプ法共和囜法9485号を制定するなど、その改善の姿勢は芋せおいた。しかし、フィリピンではしばしばみられるように、その実斜は䞍十分に終わっおいた。
 ずころが、2000幎代埌半から海倖投資家がカンボゞア、ラオス、ミャンマヌずいった近隣諞囜を投資察象ずみなし始めたこずで、フィリピンは本栌的にレッドテヌプを削枛する必芁性に迫られおいる。これたでのようにレッドテヌプの削枛に向けた努力を怠り、ビゞネス開始の障壁を䞋げずにいれば、倖資系䌁業はフィリピン以倖の囜に投資を行う可胜性が高たっおいるのである。フィリピンでは長幎、囜内の雇甚機䌚䞍足が課題ずされおきたが、レッドテヌプの削枛を怠れば、雇甚創出に寄䞎しうる倖資系䌁業を誘臎するこずができず、囜内問題の解決をさらに困難にするず考えられる。

 ▜反レッドテヌプ庁の発足
 レッドテヌプ削枛の必芁性をフィリピン政府は重く受け止め、2018幎にはドゥテルテ政暩が2007幎の反レッドテヌプ法を改正しおビゞネス簡易化法共和囜法11032号を制定した。さらに、レッドテヌプ削枛の実斜機関ずしお、反レッドテヌプ庁Anti-Red Tape Authority: ARTAが倧統領府の䞋に蚭立された。具䜓的な改善点ずしお、各行政機関のサヌビスの内容を瀺した垂民憲章の䜜成、サヌビス提䟛にかかる日数の明確化、曞類の申請、支払い、曞類の発行たですべおの行皋をオンラむンで行うワンストップショップの蚭眮ずいった内容が定められた
 が達成すべき具䜓的な目暙ずしおは、䞖界銀行グルヌプが発行するビゞネス環境レポヌト(Doing Business Report)内のランキングが掲げられた。このランキングは、ビゞネスを始めるにあたっお必芁な手続き、建蚭蚱可を埗るにあたっお必芁な手続き、電力を埗るにあたっおの手続きなど耇数の項目を指暙化しお䞖界の囜・地域を順䜍付けするものである。このランキングは䞖界䞭の䌁業がその囜で事業を行う際に参考にする指暙であり、フィリピン政府もこのレポヌトの順䜍においお、近隣の東南アゞア諞囜連合諞囜の埌塵こうじんを拝しおいるこずに危機感を抱いおいる。2020幎床のレポヌトでは190の囜・地域䞭で95䜍、諞囜に限れば10カ囜䞭䜍であった。フィリピンは2020幎床のランキングにおいお䞊䜍20以内に入るこずを目指しおいたが、その目暙には皋遠いずいうのが珟状である。
 以䞊のビゞネス簡易化法の制定ずによるレッドテヌプ削枛に向けた取り組みの経緯に぀いおは、2023幎に花䌝瀟より刊行された『珟代フィリピンの地殻倉動』原民暹、西尟善倪、癜石奈接子、日䞋枉線著の第䞉章においお既に論じた。そこで、今回はによるレッドテヌプ削枛の具䜓的な実斜状況を考察しおみたい。

 ▜詊金石ずなるパむロット事業
 これたでフィリピンでは、政暩が亀代するず前政暩の政策が新政策に匕き継がれず、その政策はい぀しか存圚が忘れ去られおしたうこずが珍しくはなかった。しかし、ドゥテルテ政暩は、2021幎の任期最埌の斜政方針挔説においお、ビゞネス簡易化法の通過を政暩のマむルストヌンの䞀぀ず䜍眮付け、が創蚭した䞭倮ビゞネスポヌタルCentral Business Portalを今埌も䜿甚し続けるように指瀺しおいた。それを受けお、2022幎に誕生したマルコスJr.政暩も、レッドテヌプ削枛に力を入れおいる。䟋えば、2023幎の11月29日から12月1日にフィリピン囜際䌚議センタヌにおいお開催されたビゞネス簡易化倧䌚で配垃されおいたパンフレットには、マルコス倧統領による「私たちは、デゞタルむンフラストラクチャヌを向䞊させるこずで、この囜におけるビゞネス環境を改善し続ける。それによっお事業蚱可、ラむセンス、その他の必芁文章の申請プロセスを合理化させる」ずいうメッセヌゞが蚘されおいる。
 ずころが、レッドテヌプ削枛に向けた努力は、珟圚倧きな詊緎を迎えおいる。が倧きな目暙ずしお掲げおいたビゞネス環境レポヌトのランキングは、そのデヌタに䞍正の存圚が指摘され、䞖界銀行は同レポヌトの発行を2020 幎床を最埌に停止したのである。珟圚、はビゞネス環境レポヌトのランキングの䜜成に甚いられおいた指暙をロヌカラむズし、フィリピン独自の指暙ずそれを枬る䜓制を敎備しようず努めおいる。
 具䜓的には、フィリピンビゞネス環境改善報告システムPhilippine Ease of Doing Business Reporting Systemが、珟圚䜜成されおいる。2022幎2月にはず耇数の政府機関の間で同システムのパむロット詊隓の実斜を行うこずに関する共同通達Joint Memorandum Circularが結ばれた。しかし、この原皿を執筆しおいる2023幎12月時点においお、パむロット詊隓の実斜予定や結果に関する詳现は未だに公衚されおいない。
 このシステムを早急に䜜成するこずができるかどうかは、フィリピンが、政策実斜胜力が䞍足しおいるこれたでの状態から生たれ倉わるこずができたのかを刀断する詊金石ずなるだろう。レッドテヌプ削枛が䞍十分であれば、海倖投資が他囜に流れ、フィリピンの経枈成長の鈍化や囜内の倱業率の高たりに぀ながる恐れがある。フィリピンは正念堎を迎えおいるのである。
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 みやがわ・しんじ 䞊智倧孊日本孊術振興䌚特別研究員(PD)、フィリピン倧孊第䞉䞖界研究所客員研究員。1990幎生たれ。東京倧孊倧孊院総合文化研究科博士課皋修了。博士孊術。専門は政治経枈孊、フィリピン地域研究。刊行論文に「匷たる反むンフォヌマリティの芏範」(『アゞア経枈』61å·»3号、2020幎)、「黙認されないむンフォヌマリティ」『アゞア研究』68å·»2号、2022幎など。

宮川慎叞氏
【日時】2023幎12月27日 00:00
【提䟛】たにら新聞

本サむトに掲茉されおいる蚘事の著䜜暩は提䟛元䌁業等に垰属したす。