
アメリカを訪れたノルウェーの観光客が、アメリカの副大統領の画像を携帯に入れていたとして、入国を拒否されたと主張している。
禿げ頭をした米副大統領の写真を所持
その観光客とは、Mads Mikkelsenさん(21)だ。彼は6月11日、アメリカでの観光を楽しもうと、ニュージャージー州のニューアーク空港に到着したという。
しかし入国審査官(移民・関税執行局:ICE)は、Mikkelsenさんに対して、携帯電話を見せるよう要求。携帯電話のパスワードを教えなければ、5000ドルの罰金か、5年の懲役刑に処すると脅したそうだ。
そのため携帯電話を見せたところ審査官は、禿げ頭で、卵型の頭をしたJ・D・バンス副大統領の合成画像を発見。これによりMikkelsenさんは、入国を拒否され、その日のうちにノルウェーに送還されたという。
Mikkelsenさんはその後、ノルウェーのメディア「Nordlys」に対し、空港で「権力の濫用と嫌がらせ」を受けたと主張。「彼ら(入国審査官)は全く理由もなく、麻薬取引、テロ計画、右翼過激主義について質問してきました」と訴えた。
もっともSNSの投稿には、他のユーザーから「この話は本当なのか?」や「リアルとは思えない」といったコメントも寄せられ、懐疑的な見方も出ている。
ガザ地区に関する投稿をしていた男性も入国拒否
ただ似たような問題は他にも起きており、オーストラリアの「The Sydney Morning Herald」は、ある男性のケースを記事で紹介している。
その記事によれば、その男性はAlistair Kitchenさん(33)で、彼はニューヨークで6年間過ごし、2022年から2024年まではコロンビア大学にも出席していたという。
そしてKitchenさんは6月12日、ニューヨークで休暇を過ごすため。オーストラリアのメルボルンから飛行機に搭乗。乗り継ぎのため、ロサンゼルスの空港に到着したそうだ。
しかし入国審査で審査官から、ガザ紛争に関する見解や、親パレスチナの抗議活動に関する自身のブログ記事などについて厳しく2時間も尋問された後、10時間以上も拘束され続け、最終的に入国を拒否されて、オーストラリアへ強制送還されたそうだ。
しかもやはり、アメリカの入国審査官は、Kitchenさんに携帯電話のパスコードを尋ねたり、国外追放すると脅したりしたという。
Kitchenさんは自身のブログへの投稿がアメリカ当局の目に留まることを懸念したため、携帯電話から、抗議活動などの問題になりそうな記事のほとんどを削除したが、全てではなく、また入国審査官も48時間前に削除した彼のブログ記事を読んでいたそうだ。
トランプ氏が大統領に復帰して以来、政権側は大学構内で反ユダヤ主義とみなす行為を取り締まり、歓迎されない意見を持つ人々のビザを取り消したり、入国を拒否したりしている。(了)