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いざ幕を開けた2017WBC。
日本代表の活躍も楽しみだが、毎回WBCでは各国から知られざる逸材が出場し、日本の野球ファンを驚かせている。
今年もそんな怪物が現れた。
台湾リーグ選抜の王柏融(ワン・ボーロン)だ。
2月28日の侍ジャパン対台湾リーグ選抜の壮行試合で3番・センターに座った王柏融は3打数3安打の大暴れ。
第2打席には則本昂大(楽天)の低めのスライダーを軽々とヤフオクドームのバックスクリーンに運び、一振りでそのポテンシャルを日本のファンに印象づけた。
「台湾の筒香(嘉智)だ」「いや、台湾の柳田(悠岐)だ!」とファンは盛り上がっている。
■台湾の至宝、なんと打率4割!
Lamigoモンキーズ(台湾)に所属する王柏融。
驚くべきは昨季の成績だ。
116試合に出場し、打率.414(483打数200安打)、29本塁打、105打点、24盗塁。
圧巻の打率4割オーバー。
もちろん、台湾プロ野球史上最高記録である。
MVP、首位打者、最多安打、ベストナイン、新人王に加え、ゴールデングラブ賞も獲得している。
その上、1993年生まれの23歳と若い。
プロ入りしてからまだ2年である。
一昨年6月のドラフトで名門・中国文化大からドラフト1位でLamigoに入団し、その夏から即出場。
29試合で打率.324、9本塁打をかっ飛ばすと、「大王」の呼び名を得て「大王旋風」を巻き起こした。
■なぜWBCに不出場?
そんな王柏融だが、WBC本戦には出場しないことが決まっている。
「台湾のニューヒーローがなぜ?」と誰もが疑問に思うが、理由はLamigoが選手供出を拒否したから。
選手の消耗問題は日本やメジャーだけのことではないようだ。
王柏融の躍動がWBCで見られないのは残念な気がするが、逆に日本球界にとってはチャンスだろう。
王柏融の契約は本人の意向であれば海外移籍可能という条件つきと言われている。
すでにメジャースカウトの目も向いているが、まだ23歳なら日本に来て、箔をつけてからでも遅くはないだろう。
今季の成績、そして来オフの動向に注目したい。
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