<パリ五輪卓球競技 日程:2024年7月27日~8月10日 場所:サウスパリアリーナ4>
9日、大会14日目を迎えるパリ五輪卓球競技では、男子団体の3位決定戦と決勝が行われた。
男子団体の決勝には、ここまでインド、韓国、フランス相手に1試合も落とさずに勝ち進んできた絶対王者・中国と、デンマーク、ドイツ、そして日本を破り団体初のメダル獲得を確定したスウェーデンが登場した。中国とスウェーデンが決勝の舞台で直接対決を行うのは、2000年の世界選手権クアラルンプール大会以来となる。
トップのダブルスには馬龍(マロン)/王楚欽(ワンチューチン・中国)ペアと、アントン・ケルベリ/クリスチャン・カールソン(スウェーデン)ペアが対戦。第1ゲームをダブルスの名手・カールソン擁するスウェーデンペアが取るも、第2、第3ゲームは中国ペアが取り返し中国の1勝に近づく。
しかし、スウェーデンペアもケルベリの早いタイミングでの攻撃とカールソンの巧みな台上捌きで1ゲームを取り返して最終ゲームまでもつれ込む。最終ゲームはラリー戦となった中で、中国ペアがリードを広げマッチポイントを握る。スウェーデンペアもラリーの中でカールソンのフォアハンドカウンターが決め手となり1点返す。今度は同じラリーの展開となった中でカールソンの決め手となったボールを、馬龍が飛びつきながらフォアハンドドライブで返しダブルスを制した。
2番では樊振東(ファンジェンドン・中国)とトルルス・モーレゴード(スウェーデン)が登場し、男子シングルス決勝の再来となった。第1ゲームのデュースをモーレゴードが制すが、第2ゲーム以降は樊振東が試合の主導権を握る。樊振東が2ゲーム連続で取り勝利に王手をかけたが、モーレゴードが第4ゲームのデュースを制して最終ゲームに突入。しかし、樊振東が最終ゲームをものにした。
第3試合は王楚欽(ワンチューチン・中国)とクリスチャン・カールソン(スウェーデン)による左腕対決が実現。第1ゲームはお互い読み合いとなる中で王楚欽が制す。第2ゲームも王楚欽が取り、中国の5連覇まで残り1ゲームとなった。第3ゲームも一進一退の攻防が続く中、王楚欽がチャンピオンシップポイントを握る。カールソンも1点返しデュースに並ぶとその勢いのままカールソンが取り返した。
迎えた第4ゲームでもカールソンがリードした状態で試合が進む。そしてカールソンがゲームポイントを握るが、王楚欽が追いつきデュースに。しかしここもカールソンが逃げ切る形で最終ゲームに突入した。最終ゲームは序盤から王楚欽がリードする。王楚欽が積極的に先手を仕掛け、流れを掴んでチャンピオンシップポイントを握る。最後は、王楚欽のバックハンドが決定打となり、中国の5連覇達成を掴んだ。
今大会で樊振東は男子シングルスと、王楚欽は混合ダブルスと合わせてそれぞれ2冠を達成した。また団体のみの出場となった馬龍は、団体初出場となった2012年のロンドン五輪からの男子団体無敗記録を更新した。欧州からはスウェーデンとフランスが男子団体初のメダル獲得、トルルス・モーレゴード、フェリックス・ルブラン(フランス)は男子シングルスと合わせて2つ目のメダル獲得となった。男子団体決勝の結果と最終成績は以下の通り。
パリ五輪男子団体決勝
〇中国 3-0 スウェーデン
〇馬龍(マロン)/王楚欽(ワンチューチン) 3-2 アントン・ケルベリ/クリスチャン・カールソン
8-11/11-4/11-3/6-11/11-7
〇樊振東(ファンジェンドン) 3-2 トルルス・モーレゴード
10-12/11-8/11-9/11-13/11-5
〇王楚欽(ワンチューチン) 3-2 クリスチャン・カールソン
11-9/11-5/10-12/10-12/11-2
樊振東(ファンジェンドン)- アントン・ケルベリ
馬龍(マロン)- トルルス・モーレゴード
パリ五輪男子団体最終成績
金メダル:中国

写真:男子中国代表/提供:ITTF/ONDA
※新種目として追加された2008年北京五輪から5連覇達成
銀メダル:スウェーデン

写真:男子スウェーデン代表/提供:ITTF/ONDA
※団体初のメダル獲得
銅メダル:フランス

写真:男子フランス代表/提供:ITTF/ONDA
※団体初のメダル獲得
4位:日本

写真:男子日本代表/提供:ITTF/ONDA
ベスト8
韓国
台湾
ドイツ
ブラジル
文:ラリーズ編集部