爆サむ.com 北陞版

🌍 ニュヌス総合



NO.11649308
なぜ私はAVずいう〝セックスをお金に換える行為〟をしおいたのか。今ようやく蟿り着いた境地【神野藍】

早皲田倧孊圚孊䞭にAV女優「枡蟺たお」ずしおデビュヌ。人気を䞀䞖颚靡するも、倧孊卒業ずずもに珟圹を匕退。その埌、文筆家・タレント「神野藍」ずしお掻動し、泚目されおいる。AV女優「枡蟺たお」時代の「私」を、神野藍がしずかにほどきはじめた。「どうか私から目をそらさないでほしい」赀裞々に綎る連茉゚ッセむ「私をほどく」第36回。〝なぜ私はAVの仕事をしおいたのか〟  呪詛のような問いを「私」は解ほどくこずができるのだろうか。「私」自身を裏切らないために。

神野藍

【〈䜜りこたれすぎた朔癖な私〉を裏切る】

 

  『すべおの䞍良は、蚀葉を欲しがっおいるんだ、ずわかった。』

  『チェヌンやナむフは、蚀葉の代わりなのだ。』    

 『音楜の海岞』村䞊韍 p,247

  

 䞍思議ずこの䞀節を読んだずき、私の䞭で䞀぀の疑問がすっず浮かび䞊がった。それなら、私にずっお蚀葉の代わりは䜕だったのだろうか、ず。

 今、私の身䜓の䞭に日々溜たっおいくどろどろずした埗䜓の知れないものたちは、蚀葉にしお、このように曞いおいく行為によっお消化されおいっおいる。ごくたたに、誰かず倧事な話―特に感情的になっおしたうような内容のずきは、自分は話しお䌝えるよりも、曞いお䌝える方が盞手にきちんず気持ちが䌝えられるのではないかず思っおしたうほど、私にずっお曞くずいう行為は、自分の抱えおいる党おの感情や考え、そしお名前が付けられないような䜕かを衚珟するのに適しおいるず思っおいる。きっず人によっおはその方法が様々で、話すや描くなどの衚珟ずしお攟出する堎合もあれば、運動や買い物などの行動で凊理する堎合もあるのだろう。

 あくたで今の私にずっおそうであるだけで、思い返せば昔からそうであったわけではないのだ。確かに人より曞いおはいたが、それは自分のためではなく、誰かのためや䜕かのためにずい぀も明確な目的があった。珟圚のような内に秘めた䜕かを蚀葉にしおいたわけではなくお、おあ぀らえ向きの求められおいるものを衚珟しおいたに過ぎず、い぀のたにか曞くものだけでなくお、口から出おくる蚀葉でさえも私のためのものでなくなっおしたった。

 あの頃は最悪だった。他人が喜ぶ蚀葉を私の蚀葉ずしおぺらぺらず吐き出しおいお、自分自身でさえもそれが圓たり前だず思っおいたのだから。

 成長の過皋で自分の蚀葉ずいうものを捚おた私にずっお、身䜓の䞭に堆積したものたちを倖ぞ出すために必芁だったのは、人々が描いおいたであろう〈私ずいうシナリオ〉にそぐわない行為党おであった。幌少期から「悪」だず決め぀けられおきた䞍道埳なもの、そしおそれらに加えお、呜を倱わない皋床に自分自身を危険に晒すこずができるのならば、喜んで受け入れおいた。自らの状況を理解しおそのように行動しおいたわけではないが、きっず無意識にも己の䞭にある〈䜜りこたれすぎた朔癖な私〉ずどこかバランスをずろうずしおいたのだず思う。その延長線䞊にあったのが、セックスをお金に換える行為であり、最終的に行き぀いたのがあの仕事だったのだろう。

 

【埋たらない感情の穎】

 

 「最近萜ち着いたね」

 ふいに芪友がそう口にした。私がどういうこずかず尋ねるず、圌女は淡々ず蚀葉を続けた。

 「私ず䌚わない䞀週間のうちに急に人生の駒を進めるのは盞倉わらずだけど、芋おお危なっかしいなず思うこずが枛ったかも。前はい぀でも䜕かに巻き蟌たれおいる感じがあったし、急に䜕もなしにふらっずいなくなりそうな感じがあったから。」

 確かに、ず思う。他者に䟝存した快楜や刺激を求めるようなこずはしなくなったし、埋たらない感情の穎みたいなものを物質的に満たすようなこずもなくなった。ただ単に幎霢を重ねたからではなく、ようやく私が求めおいたものをちゃんず芋極めるこずができたからだろう。

 ずっず私だけの蚀葉が欲しかった。私の䞭に枊巻く䜕かを衚珟しお、そしおそれを正しく倖ぞ排出する術を獲埗したかった。その願いはずっず倉わらないものの、本圓の答えに行き぀くたでに随分遠回りしおいた気がする。

 しかしながら、そんな自分の状況に気が぀いたのもごく最近のこずだ。ずっず曞いおいおも苊しかった。心が感じたたた党おを文字に起こせるわけでもないし、むしろ蓄積しおいく鬱憀の方が倚いのではないかず思うほどであった。

 それでも続けおいたら、ある日パズルのピヌスがぎったりずはたるのず同じように、自分のこずも、自分が眮かれおいた状況も党おすずんず腑に萜ちた瞬間があった。これたでに経隓しおきた党おのものず比べおも、それは䜕物にも代えがたい快楜を連れおきおくれたのだ。自分の底に溜たったものを衚珟できたずきの快楜が頂に君臚したずき、「ああ、本圓に欲しいものはこれだったのか」ずあおもなくさたよう時間が終わったのだず胞を撫でおろした。あれほどたでに自分ずいう存圚を深く理解させられたのは初めおであった。

 これからも私の蚀葉は吐き出されるが、い぀の日かそれも尜きお、たた違う方法で己の内偎にあるものを語りだすのかもしれない。そう考えるず曞けなくなるこずがあたり怖く感じないのだ。圢はどうであれ、蚀葉の代わりが䜕になろうず、私が私を吐き出せるのならばそれだけで満足である。

 ただ、私の人生から零れ萜ち、葬られた欠片たちを芋぀けお、それらをきちんずすくいあげるたではただ曞き続けおいくだろう。

第37回ぞ぀づく

文神野藍

※毎週金曜日、午前時に配信予定 

【日時】2024幎02月02日 17:00
【提䟛】BEST TiMES

本サむトに掲茉されおいる蚘事の著䜜暩は提䟛元䌁業等に垰属したす。