
アメリカのトランプ大統領は6月17日、立て続けにSNSを更新し、イランに無条件降伏を迫った。
ハメネイ師の居場所を把握
トランプ氏は17日、アメリカがイランの最高指導者・ハメネイ師の居場所を把握しているとSNSに投稿。次のように述べた。
「我々は、いわゆる『最高指導者』がどこに隠れているかを正確に把握している。彼は格好の標的だが、そこにいれば安全だ。少なくとも今のところは、彼を排除(殺害!)するつもりはない。我々も市民やアメリカ兵にミサイルを打たれたくはない、(しかし)我々の忍耐は限界に達している」
さらに「我々は現在、イラン上空の制空権を完全に掌握した」とし、イラン側に「無条件降伏を」と投稿した。
アメリカのJ・D・バンス副大統領も、トランプ氏が「イランの核濃縮を終わらせるための更なる行動を取る可能性がある」と述べていた。
アメリカ軍が軍事介入か?
トランプ氏はここ数日、戦争終結を訴え、「間もなく」平和が訪れることを示唆しながらも、イスラエルによるイランへの攻撃に加わる可能性を示してきた。
16日には、イランの首都・テヘランに住む約1000万人に対して、避難を呼びかけた。
これらの発言から、トランプ氏がイランに核開発計画の放棄を受け入れさせるため、「脅迫」によって圧力をかけているか、またはイスラエルのネタニヤフ首相に利用され、アメリカをイランとの全面戦争に突入させようとしているとの見方も出ている。
現在、トランプ氏は、ホワイトハウスのシチュエーションルーム(状況分析室)で、国家安全保障チームと議論しているという。
迎撃不可能なミサイルで「モサド」の施設を攻撃
イスラエルとイランは17日にも、お互いに攻撃の応酬を繰り広げており、双方の都市に被害が出ている。
イラン国防省は17日、新型の探知不能なミサイル、つまり追跡も迎撃も不可能なミサイルを使用して、多層防空網を突破したとし、イスラエルの諜報機関「モサド」の作戦計画センターや、軍の情報センターが被弾したと明らかにした。
またイラン国防省の報道官は、イスラエルには長期紛争への備えができていないとし、「シオニスト政権は長期戦に耐えられない」との見方を示した。
ガザ地区では89人が死亡
一方、イスラエル軍はガザ地区でも攻撃を続けており、6月17日には、南部のハンユニスにある「ガザ人道財団」の配給所付近で、パレスチナ人に激しい攻撃を加えた。
イスラエル軍は、食糧などの支援物資を求めていた人々に対して、戦車の砲弾を浴びせ、機関銃やドローンによる銃撃を行ったという。
これにより少なくとも70人のパレスチナ人が死亡、200人以上が負傷したそうだ。しかも負傷者の多くが重体であるため、死者数はさらに増加すると予想されている。
また70人の犠牲者を含め、ガザ地区全域でも17日には89人のパレスチナ人が、イスラエル軍による攻撃で死亡した。(了)