2日、「守護の盾—防空避難体験特展」の開幕式に出席した台湾・内政部長の劉世芳氏。(写真/柯承惠撮影)台湾・台北市では、2024年の「漢光実動演習」および「民安演習」「万安演習」を統合した「都市レジリエンス演習」の一環として、7月17日(木)午後1時30分から2時まで全市を対象とした大規模な防空演習が実施される。これに伴い、台北捷運(MRT)の全駅では演習時間中「入場のみ」となり、出場は制限されるほか、人と車両の通行も一時的に規制される。
「防災意識を日常に」防空避難体験展を開催
内政部警政署と台北市警察局は2日、西門駅5番出口広場にて「守護の盾—防空避難体験特展」の開幕式を実施。行政院長の卓栄泰氏、内政部長の劉世芳氏ら政府高官が出席し、リボンカットを行った。
展示は7月30日まで実施され、避難指針や実際の避難所設備、ペット同伴や負傷時の対応などを体験できる内容となっている。
全国8万ヵ所超の避難所、5000万人以上を収容可能
内政部によれば、全国には82,772ヵ所の防空避難施設があり、公的機関や民間ビルの地下などに設置されている。総収容可能人数は5000万人超とされ、台湾の人口の2.35倍に相当する。台北市内のMRTには14ヵ所の民防駅があり、西門駅だけで3万4000人を収容可能だという。
指針を簡素化、アプリも改善 市民の理解促進へ
台北市警察局民防管制センターの張文川主任は、内政部が6月末に発表した新たな避難指針は従来よりも簡素で、MRT車内や建物内、車内での行動方法が明確に示されており、恐怖や混乱を軽減する効果があると説明。政府公式アプリ「警政署APP」や「消防一点通」、台北市の「北市警政APP」なども改良され、避難場所の検索や避難行動の確認がよりスムーズになったという。
検証区以外も全市で実施 市長も現場を視察へ
演習は全国的に7月15日から18日にかけて「地域別・時差方式」で実施される。台北市では松山区・中正区・中山区の3区が検証区とされているが、演習は市全域で実施される。時間帯は17日午後1時30分から2時までで、人と車両の移動が一時的に規制されるほか、全駅が「入場のみ」の対応を取る。
検証区では蔣萬安市長が現地視察を行う予定で、中央政府からも少なくとも5チームが各警察分局に派遣され、演習の実施状況を確認する見込み。
日中実施のため「消灯」は不要 強制避難措置もなし
一部では「防空演習=電灯を消す」と認識されがちだが、今回は日中の実施であるため、消灯の必要はない。また、MRTに指定された14の民防駅(台大医院駅、中正紀念堂駅、東門駅、大安駅、忠孝新生駅、忠孝復興駅、南港展覧館駅、南京復興駅、松江南京駅、西門駅、古亭駅、徐匯中学駅、三重駅、頭前庄駅)でも、強制的な避難は行われない。