澳門海關(マカオ税関)は7月4日、いわゆる運び屋による密輸行為をターゲットにITを用いるなど水際対策の強化を講じて臨む中、6月27日から7月3日までの1週間、マカオの主要な陸路の玄関口にあたる港珠澳大橋マカオ側、關閘、青茂のイミグレーション施設で着衣の下に隠す手口などによる密輸事案を5件摘発したと発表。
発見に至った密輸品の内訳は、紙巻きたばこ2万4000本、時計のムーブメント3000個、中古のパソコン用メモリ60個、中古のCPU30個、中古スマートフォン102台で、紙巻きたばこについては海外からマカオへの持ち込み(密輸入)、残りはマカオから中国本土への持ち出し(密輸出)を企図したケースだったとのこと。
マカオ税関が摘発した着衣の下に隠す手口の中古パソコン用メモリ等密輸出事案=2025年7月2日、關閘イミグレーション(写真:澳門海關) いずれも税関検査場の申告物なしレーン(グリーンレーン)を通過した際の通関者の挙動や表情などから不審な様子を察知した税関職員が呼び止めて詳細検査を行った結果、携行品のスーツケースやリュックの中に隠す、身体の腰回りなどにラップで巻き付けるかたちで着衣の下に隠すといった手段で密輸を図った品を発見したという。
上述の5件の密輸事案に関与したのは13〜42歳のマカオ居民、香港居民、中国本土居民、インドネシア人旅客の女5人で、全員を対外貿易法違反で起訴済みとした。なお、マカオの学生が関与していた例もあり、連絡メカニズムを通じて教育当局と情報共有を行ったことも明らかにした。マカオの学生の密輸関与が明らかになったのは2週連続となる。
マカオ税関が摘発した着衣の下に隠す手口の中古スマートフォン密輸出事案=2025年7月3日、青茂イミグレーション(写真:澳門海關) 一昨年(2023年)初頭のウィズコロナ転換による水際措置の緩和に伴い、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、いわゆる運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、物品を着衣の下に隠す手口や越境自家用車の悪用が目立っている。
税関では、市民に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守及び報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう累次の呼びかけを行うとともに、さまざまなかたちで隠したり、偽装したりする手口への対応を含め、今後も継続して水際における各種取り締まりを強化して臨む考えを示した。
マカオ税関が摘発した紙巻きたばこ密輸入事案=2025年6月27日、港珠澳大橋マカオ側イミグレーション(写真:澳門海關)