爆サイ.com 関西版

🏃🏾 スポーツニュース



NO.12723208
猛威を振るったTTR朱雨玲が復活V張本智和が準優勝【卓球・USスマッシュ2025トピックス5選】

<卓球・USスマッシュ2025 日程:2025年7月3日〜13日 場所:ラスベガス(アメリカ)>

7月3日〜13日にかけてアメリカのラスベガスでUSスマッシュ2025(以下、USスマッシュ)が行われ、全種目で優勝者が決まった。

本記事では、USスマッシュで話題となったトピックスを5つ紹介する。

猛威を振るったTTR

これまでも試験的に使われており、今年行われたドーハ大会で世界選手権史上初めて導入された『VAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)』。会場には十数台ものカメラがコートを取り囲むように設置されており、審判の判定をサポートしている。

サッカーや野球では、選手や審判がモニターを模したジェスチャーをするのが一般的だが、卓球ではこのシステムは「TTR(Table Tennis Review)」と呼ばれている。

このTTR制度では、選手が審判の判定に対して異議を唱える「レビュー」の要求が1試合あたり2回まで認められている。対象となるのは基本的にサービスに関する判定であり、他には「ボールがエッジをかすめたかどうか」や「妨害行為があったかどうか」などがある。

そして、このTTRがWTTでは初の本格導入となったわけだが、このTTRが今大会の明暗を分けた形となった。

男子シングルスでは、篠塚大登(愛知工業大)とダルコ・ヨルジッチ(スロベニア)、田中佑汰(金沢ポート)とアレクシス・ルブラン(フランス)の試合の重要な局面でTTRが使用され、プレーが一時中断された。

また、準決勝の張本智和(トヨタ自動車)と林昀儒(リンユンジュ・チャイニーズタイペイ)の試合では、張本が2連続でTTRを使用して成功させるなど、試合の流れを大きく左右した場面もあった。

今回のTTRの使われ方を見る限り、今後の大会ではこのTTRをいかに活用できるかが勝敗を分けるポイントとなることは間違いないだろう。

なお、国際大会に関しては今後も継続的に使用されることが決まっており、日本国内の大会がどうなるのかが注目される。

サービス時のフォルトの基準厳格化

TTR導入の影響からか、今大会ではサービス時のフォルトの基準が、これまでよりもかなり厳格化された。

男子シングルス予選では、ドイツのステファン・メンゲルがフォルトを取られ、相手にポイントが入った場面が1試合に複数回見られた。この判定にはメンゲルも怒りを露わにし、ラケットを地面にたたきつけるシーンも見られた(なお、試合はメンゲルが敗れた)。

卓球のサービスは「16cm以上」かつ「地面とほぼ垂直(角度は30度以内)」なトスを上げ、サービス中にボールが隠れないように打たなければならないと規定されている。

しかし、特に角度の部分においては一瞬の状況で判断がしにくいことから、明らかに垂直とは言えない角度でトスを上げる選手が多く(そのほうがサービスに回転をかけやすいなどのメリットがあるため)、卓球界でも問題視されていた。

そんな状況に一石を投じたのが先述のTTRであり、今大会の基準厳格化なのだろう。

今後の大会が、この基準で進められていくのかは現時点では不明であるが、TTR同様に、サービスに関しても選手は対応を求められることになるだろう。

張本智和が準優勝&田中佑汰がベスト8

男子シングルスでは張本智和が日本勢のシングルスで初のグランドスマッシュ決勝進出を果たした。

クアドリ・アルナ(ナイジェリア)、松島輝空(木下グループ)、林昀儒を破って準決勝に進むと、準決勝では世界ランキング1位の林詩棟(リンシドン・中国)をフルゲームで破り決勝に進出。決勝では王楚欽(ワンチューチン・中国)にストレートで敗れたものの、堂々の準優勝となった。

写真:田中佑汰(金沢ポート)/提供:WTT
写真:田中佑汰(金沢ポート)/提供:WTT

同じく男子シングルスでは、田中佑汰(金沢ポート)がベスト8進出を果たした。

準々決勝では林詩棟(リンシドン・中国)に敗れたものの、2回戦でトルルス・モーレゴード(スウェーデン)、3回戦でアレクシス・ルブラン(フランス)をいずれもフルゲームで下すなど、強敵を次々と破る快進撃を見せた。

過去には、アジア選手権で王楚欽(ワンチューチン・中国)を破り、パリ五輪日本代表レースでも最後まで代表争いを演じるなど、日本トップレベルの力を幾度となく見せてきた田中。WTTではなかなか大きな成績を残せていなかったが、今回のベスト8をきっかけに今後の更なる飛躍に期待したい。

「みまひな」ペアが復活

写真:伊藤美誠(スターツ)/早田ひな(日本生命)/提供:WTT
写真:伊藤美誠(スターツ)/早田ひな(日本生命)/提供:WTT

女子ダブルスでは伊藤美誠(スターツ)/早田ひな(日本生命)の“みまひな”ペアが2023年5月の世界選手権以来、約2年ぶりとなるペア再結成を果たした。

伊藤/早田ペアは、インドペアと国際ペアに勝利して準々決勝に進出するも、優勝した王芸迪(ワンイーディ)/蒯曼(クアイマン・中国)ペアに敗れてベスト8となった。

まだまだ本調子とはいかないが、ロス五輪から女子ダブルスも正式種目入りしたことから、今後もこのペアを国際大会で見られる可能性は高い。対中国ペアにも強さを見せてきた“みまひな”ペアの完全復活に期待が高まる。

朱雨玲が復活V

女子シングルスでは、元中国代表の朱雨玲(ジュユリン・マカオ)が自身初のグランドスマッシュ優勝を飾った。

現在30歳の朱雨玲は、2010年の世界ジュニアで金メダルを獲得して頭角を現すと、その後世界ランキング1位になるほど実力をつけて、東京五輪代表争いにも食い込んでいた。

しかし、東京五輪直前にガンを発症すると、東京五輪代表争いからも落選。2021年に手術を受け、その後は自身の体調を考慮し、大学の博士課程に進むために現役引退を決断していた。

そんな朱雨玲が昨年、突如として国際大会に復帰。そこからコンスタントに出場を重ねて世界ランキングも上げていくと、今回ついにグランドスマッシュ制覇を果たした。

一度病気で現役を退き、そこから復帰してタイトルを獲得した朱雨玲の復活劇は、多くの卓球選手、いやスポーツ選手に勇気と感動を与えたことだろう。

15日に更新された最新の世界ランキングでは、3年半ぶりにトップ10復帰を果たしており、今後も多くの卓球ファンを楽しませてくれることだろう。

男子シングルス

優勝:王楚欽(ワンチューチン・中国)

写真:王楚欽(ワンチューチン・中国)/提供:WTT
写真:王楚欽(ワンチューチン・中国)/提供:WTT

準優勝:張本智和(トヨタ自動車)

写真:張本智和(トヨタ自動車)/提供:WTT
写真:張本智和(トヨタ自動車)/提供:WTT

3位:林詩棟(リンシドン・中国)

写真:林詩棟(リンシドン・中国)/提供:WTT
写真:林詩棟(リンシドン・中国)/提供:WTT

3位:フェリックス・ルブラン(フランス)

写真:フェリックス・ルブラン(フランス)/提供:WTT
写真:フェリックス・ルブラン(フランス)/提供:WTT

女子シングルス

優勝:朱雨玲(ジュユリン・マカオ)

写真:朱雨玲(ジュユリン・マカオ)/提供:WTT
写真:朱雨玲(ジュユリン・マカオ)/提供:WTT

準優勝:陳熠(チェンイー・中国)

写真:陳熠(チェンイー・中国)/提供:WTT
写真:陳熠(チェンイー・中国)/提供:WTT

3位:蒯曼(クアイマン・中国)

写真:蒯曼(クアイマン・中国)/提供:WTT
写真:蒯曼(クアイマン・中国)/提供:WTT

3位:伊藤美誠(スターツ)

写真:伊藤美誠(スターツ)/提供:WTT
写真:伊藤美誠(スターツ)/提供:WTT

男子ダブルス

優勝:林鐘勲(イムジョンフン)/安宰賢(アンジェヒョン・韓国)

写真:林鐘勲(イムジョンフン)/安宰賢(アンジェヒョン・韓国)/提供:WTT
写真:林鐘勲(イムジョンフン)/安宰賢(アンジェヒョン・韓国)/提供:WTT

準優勝:アレクシス・ルブラン/フェリックス・ルブラン(フランス)

写真:アレクシス・ルブラン/フェリックス・ルブラン(フランス)/提供:WTT
写真:アレクシス・ルブラン/フェリックス・ルブラン(フランス)/提供:WTT

3位:梁靖崑(リャンジンクン)/王楚欽(ワンチューチン・中国)

写真:梁靖崑(リャンジンクン)/王楚欽(ワンチューチン・中国)/提供:WTT
写真:梁靖崑(リャンジンクン)/王楚欽(ワンチューチン・中国)/提供:WTT

3位:黄鎮廷(ウォンチュンティン)/陳顥樺(チャンバルドウィン・中国香港)

黄鎮廷(ウォンチュンティン)/陳顥樺(チャンバルドウィン・中国香港)
写真:黄鎮廷(ウォンチュンティン)/陳顥樺(チャンバルドウィン・中国香港)/提供:WTT

女子ダブルス

優勝:王芸迪(ワンイーディ)/蒯曼(クアイマン・中国)

写真:王芸迪(ワンイーディ)/蒯曼(クアイマン・中国)/提供:WTT
写真:王芸迪(ワンイーディ)/蒯曼(クアイマン・中国)/提供:WTT

準優勝:孫穎莎(スンイーシャ)/王曼昱(ワンマンユ・中国)

写真:孫穎莎(スンイーシャ)/王曼昱(ワンマンユ・中国)/提供:WTT
写真:孫穎莎(スンイーシャ)/王曼昱(ワンマンユ・中国)/提供:WTT

3位:鄭怡静(チェンイーチン)/李昱諄(リユジュン・チャイニーズタイペイ)

写真:鄭怡静(チェンイーチン)/李昱諄(リユジュン・チャイニーズタイペイ)/提供:WTT
写真:鄭怡静(チェンイーチン)/李昱諄(リユジュン・チャイニーズタイペイ)/提供:WTT

3位:金娜英(キムナヨン)/リュウ・ハンナ(韓国)

写真:金娜英(キムナヨン)/リュウ・ハンナ(韓国)/提供:WTT
写真:金娜英(キムナヨン)/リュウ・ハンナ(韓国)/提供:WTT

混合ダブルス

優勝:林詩棟(リンシドン・中国)/蒯曼(クアイマン・中国)

写真:林詩棟(リンシドン・中国)/蒯曼(クアイマン・中国)/提供:WTT
写真:林詩棟(リンシドン・中国)/蒯曼(クアイマン・中国)/提供:WTT

準優勝:林鐘勲(イムジョンフン)/申裕斌(シンユビン・韓国)

写真:林鐘勲(イムジョンフン)/申裕斌(シンユビン・韓国)/提供:WTT
写真:林鐘勲(イムジョンフン)/申裕斌(シンユビン・韓国)/提供:WTT

3位:黄鎮廷(ウォンチュンティン)/杜凱琹(ドゥホイカン・中国香港)

写真:黄鎮廷(ウォンチュンティン)/杜凱琹(ドゥホイカン・中国香港)/提供:WTT
写真:黄鎮廷(ウォンチュンティン)/杜凱琹(ドゥホイカン・中国香港)/提供:WTT

3位:林昀儒(リンユンジュ)/鄭怡静(チェンイーチン・チャイニーズタイペイ)

写真:林昀儒(リンユンジュ)/鄭怡静(チェンイーチン・チャイニーズタイペイ)/提供:WTT
写真:林昀儒(リンユンジュ)/鄭怡静(チェンイーチン・チャイニーズタイペイ)/提供:WTT

文:ラリーズ編集部

【日時】2025年07月16日 18:49
【提供】Rallys

本サイトに掲載されている記事の著作権は提供元企業等に帰属します。