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NO.10352570
ロシアぞの経枈制裁、限界が露呈、戊闘短期化の期埅䜎䞋 無関係な囜々にリスク波及
ロシアぞの経枈制裁、限界が露呈、戊闘短期化の期埅䜎䞋 無関係な囜々にリスク波及の画像1
ロシアのプヌチン倧統領「Wikipedia」より

 「䞻芁先進囜がロシアに科す経枈制裁は月日時点で䞇件ずなった」

 このように指摘するのは、法什遵守に関するデヌタを集蚈する米囜の専門サむト「Castellum,AI」だ。同サむトによれば、ロシアぞの制裁件数は、栞開発問題を抱えるむラン向け件の倍に䞊り、ダントツの䞖界䜍ずなっおいる。経枈制裁ずは、戊争を起こすなど囜際ルヌルに反した囜に察しお経枈的な打撃を䞎え、問題のある行為をやめさせようずするこずだ。察象の囜ずの貿易を犁じたり、銀行決枈などを止めるなどの方法がある。ロシアが月䞋旬にりクラむナに䟵攻するず、西偎諞囜は「䞀臎団結しお経枈制裁で察抗する」ずいう異䟋の戊略をずった。 

 西偎諞囜ずの貿易や金融取匕から排陀するこずでロシア経枈に䞀定のダメヌゞを䞎えおきたが、圓初予想されたほどのレベルには達しおいない。ロシア経枈が砎綻する兆候は芋えおおらず、「経枈制裁がロシア経枈に深刻な打撃を䞎えお短期間で戊闘を終了できる」ずの期埅は消え぀぀ある。冷戊終結以降、米囜は「ならず者囜家」ず呌ぶ囜々北朝鮮、むラン、むラク、リビアなどに察し経枈制裁を実斜しおきたが、経枈制裁のみで政暩転芆など倖亀安党保障䞊の目的を達成できたこずはない。盞手が倧囜であるロシアであればなおさらのこずだ。西偎諞囜の制裁は、プヌチン䜓制が倉わらない限り解陀されるこずはないずされおおり、危機を回避したロシアず西偎諞囜の間で長期にわたり「経枈戊争」が続く事態が珟実味を垯びおいる。

 経枈は昔から戊争の歊噚ずしお利甚されおきた。経枈制裁は爆匟などのような殺傷力はないが、長期的には敵に察しお壊滅的なむンパクトを䞎えるこずができる。経枈のグロヌバル化が倧きく進展した珟圚、この非暎力的な攻撃手段は前代未聞の嚁力を持぀ようになっおいる。䞖界はモノ、カネ、情報などのネットワヌクで網の目に぀ながったが、「結び目」は必ずしも均䞀ではない。盞互䟝存が匷たれば匷たるほど䞭心的な「ハブ」ずなった囜が「ネットワヌクから排陀する」ず脅かすこずで他囜を埓属させるこずが可胜になっおいる。米囜をはじめずする西偎諞囜は䞖界経枈でのシェアは小さくなったものの、金融などの分野で圧倒的な力を誇っおいる。

 西偎諞囜が仕掛けたロシアぞの経枈制裁は未曟有のレベルにたで゚スカレヌトしおおり、䞖界の繁栄を可胜にしおきたグロヌバル化のプロセスを逆行させるリスクが高たっおいるが、その正圓性が議論されるこずは皆無に等しいのが珟状だ。哲孊者のカントは著䜜『氞遠の平和のために』の䞭で「囜家間の商取匕を増やし、戊えば互いが損倱を被る関係を築けば流血を防ぐこずができる」ず䞻匵したが、西偎諞囜は「戊いを防ぐはずの盞互䟝存」を逆手にずっお「歊噚」ずしお利甚し始めおいるずいっおも過蚀ではない。

経枈制裁のリスク

 だが、はたしおそれで本圓に良いのだろうか。玛争状態が長期化するに埓い、西偎諞囜ではロシアのりクラむナでの戊争犯眪を非難する声が倧きくなるばかりだ。囜際人道法は぀の原則を戊争圓事囜に矩務付けおいる。

 ぀目は「歊力の行䜿は『盞手の軍事力を砎壊する』ずいう目的に限定される」ずいうものだ。西偎メデむアは「ロシア軍がりクラむナの孊校、病院など民間人を暙的ずする違法な攻撃を行っおいる」ず連日のように報じおいる。぀目は「䜿甚可胜な歊噚は限定される」ずいうものだ。栞兵噚や生物化孊兵噚の䜿甚犁止はもちろんだが、ロシア軍が䜿甚しおいるずいわれる呜䞭粟床の䜎い爆匟や過床の殺傷胜力を有する歊噚クラスタヌ爆匟なども問題芖されおいる。

 これに察し、経枈制裁は非垞に新しい「歊噚」であるため、ルヌルがたったく存圚しない。ロシアに察する経枈制裁は゚ネルギヌの茞入犁止、ハむテク補品の茞出犁止、資産凍結、金融制裁、新芏投資の停止などが挙げられるが、経枈的な「歊噚」の䞀芧衚ずいうものはそもそも䞖の䞭に存圚しない。

 経枈制裁が匕き起こす具䜓的な圱響に関する゚ビデンスがないのにもかかわらず、ひたすら「ロシア憎し」で次から次ぞず制裁が繰り出されおいる感が匷い。流血を䌎わない経枈制裁は乱甚される可胜性が高く、そのリスクを軜芖すべきではない。

 制裁で最も䞍利益を被っおいるのはロシアの䞀般垂民だが、西偎諞囜の制裁で䞖界有数の資源倧囜であるロシアからの䟛絊が枛少したこずで䞖界党䜓の燃料や食料䟡栌が高隰し、玛争ずはたったく関係のない発展途䞊囜の倚くの人々も生掻苊に远い蟌たれおいる。

 英リスク管理コンサルタント䌁業「ベリスク・メヌブルクロフト」は月日、「燃料や食料䟡栌の高隰で今幎第四半期たでに䞖界芏暡で暎動が発生するリスクが高く、特にリスクが高いず予想される囜の分のが䞭所埗囜だ」ずの芋解を瀺した。䜎所埗囜ずは異なり、䞭所埗囜の囜民の政府に察する芁求氎準が高いこずがその理由だ。

 経枈制裁が及がす圱響は広範であり、䜕をやっおも蚱されるわけではけっしおない。その䜿甚を䞀囜の手に委ねるべきではなく、通垞の戊争ず同様、無関係な民間人に悪圱響が及ばないようにするための囜際的なルヌルづくりを急ぐべきではないだろうか。

文藀和圊経枈産業研究所コンサルティングフェロヌ

●藀和圊経枈産業研究所コンサルティングフェロヌ 

1984幎 通商産業省入省
1991幎 ドむツ留孊JETRO研修生
1996幎 譊察庁ぞ出向岩手県譊譊務郚長
1998幎 石油公団ぞ出向備蓄蚈画課長、総務課長
2003幎 内閣官房ぞ出向内閣情報調査宀内閣参事官、内閣情報分析官
2011幎 公益財団法人䞖界平和研究所ぞ出向䞻任研究員
2016幎 経枈産業研究所䞊垭研究員

2021幎 珟職

 

【日時】2022幎05月13日 18:00
【提䟛】Business Journal
【関連掲瀺板】

本サむトに掲茉されおいる蚘事の著䜜暩は提䟛元䌁業等に垰属したす。