タイガーエア台湾、米子-台北直行便が就航。日台交流の新たな架け橋に。(写真/黃信維撮影)第16回「2025日台観光サミットin 鳥取」の開催に合わせ、タイガーエア台湾の「米子(鳥取)-台北(桃園)」直行便が本日(29日)正式に就航した。これは台湾と日本・山陰地方の交流が新たな段階に進む象徴となるものだ。タイガーエア台湾の董事長・黄世惠氏は会見後の取材に対し、「この路線はタイガーエアにとって日本への22番目の定期便であり、山陰地方としては初の定期路線となる。日本市場におけるネットワークが一層完成された」と語った。
鳥取県には、台湾の旅行者に人気のあるグルメ、温泉、さらに『名探偵コナン』や『ゲゲゲの鬼太郎』といったアニメ文化もあり、非常に高い観光魅力を持つとされる。
記者会見には、鳥取県知事・平井伸治氏、県議会議長・浜崎晋一氏をはじめ、多くの日本の地方政要、台湾観光協会の名誉会長・葉菊蘭氏、会長・簡余晏氏、台北駐大阪経済文化代表処の処長・洪英傑氏らが出席した。観光大使を務める倪暄氏と曲羿氏も登壇。平井知事は「世界には人名が付けられた空港が多いが、妖怪の名前を出した空港は鳥取だけ」と語り、米子鬼太郎空港のユニークさを紹介した。
タイガーエア台湾の董事長・黄世惠氏。(写真/黃信維撮影)黄世惠氏は「若者はアニメ、年配層は温泉やグルメと、鳥取はあらゆる年齢層のニーズに応えられる場所。週2便からスタートするが、将来的には定期便としての需要増が見込まれる」と述べた。
一方で、現時点では台湾から鳥取への旅客が多く、日本から台湾への流動はまだ少ないことも明かし、「山陰地域から台湾へ行く際、都市を経由せずに米子から直接アクセスできる利便性は、今後の需要拡大に繋がる」と期待を示した。
今回の定期便就航は、日本側の強い要望によるものではなかったが、鳥取県や関係機関が多くの有形・無形の支援を提供し、コスト削減に貢献したという。「その分、航空券をより手頃な価格で提供できるようになった」と語り、今後の相互利益を見据えた体制構築に意欲を示した。
将来の新路線については、「まだ詳細は公表できないが、今年7月には台中発の新路線2本(そのうち1本は名古屋行き)、高雄発の2本(そのうち1本は仙台行き)を予定しており、一部はすでに販売を開始している。年内にさらに追加する可能性もある」と明かした。

タイガーエア台湾のブランドアンバサダーを務める日本の人気俳優・内田理央氏。(写真/黃信維撮影)
また、タイガーエア台湾のブランドアンバサダーを務める日本の人気俳優・内田理央氏も会場に登壇し、「初めて鳥取に来られて本当にうれしい。台湾と鳥取の文化的なつながりを深く感じた」と喜びを語った。和牛やカニ、水木しげるロードでのお土産選びを楽しみにしていると述べたほか、「台湾の小籠包や胡椒餅、パイナップルケーキ、太陽餅が大好き。台湾には美味しいものが多すぎて毎回食べきれない」と笑顔で語り、もっと多くの日本人に台湾を訪れてもらいたいと訴えた。
この日の初便就航を祝して、桃園国際空港ではウォーターキャノンによる伝統的な出発式も行われた。黄世惠董事長をはじめ、交通部観光署の周永暉署長、台湾観光協会の葉菊蘭名誉会長、簡余晏会長、中華航空の陳漢銘総経理ら数十名の航空・観光業界の代表が同便に搭乗し、米子鬼太郎空港に到着。鳥取県の平井知事を中心に盛大な歓迎を受けた。内田理央氏も現地で合流し、テープカット式に参加。台日双方の要人が見守る中、航路の将来に向けた期待が高まった。