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ペナントレースを独走中の広島。
昨季は2位に17.5ゲーム差をつける優勝だったが、今季もそれに近い大差で連覇を達成する可能性が高そうな状況となっている。
原動力はいくつか考えられるが、野手陣ではチーム最年長の新井貴浩の存在が大きい。
球界全体で見ても、岩瀬仁紀(中日)、井口資仁(ロッテ)、松井稼頭央(楽天)、福浦和也(ロッテ)、相川亮二(巨人)に次ぐ6番目のベテラン。
そのあたりも考慮され、適度に休みを入れながらの起用となっているが、8月8日までで74試合に出場。
打率.295としっかり数字を残している。
とくに、得点圏打率.351と勝負強さも際立つ。
また、代打でも、27回打席に立ち打率.286(21打数6安打)。
チームやファンの期待にもしっかりと応えている数字だ。
確かに昨季よりはトータルでの出番は減っているが、鈴木誠也が4番打者として一人前になり、エルドレッド、松山竜平、安部友裕らも好調を維持。
チーム全体の戦力が底上げされ、新井を効率よく起用できる要因とも言える。
■打撃9部門で現役トップ
NPBの公式サイトに、これまでの記録を紹介したページがある。
そこに、「通算記録ランキング(現役選手)」という項目があるのだが、その打撃・走塁に関する23部門のうち、新井は9部門でトップに君臨している。
次位の松井稼頭央(楽天)でも3部門(得点、二塁打、三塁打)という結果を見ると、新井がいかに突出しているかがわかる。
以下に新井の現役最多記録を並べてみる。
■新井の現役最多の記録試合:2294(谷繁元信・元中日ほか/3021試合)
打席:8597(野村克也・元南海ほか/11970打席)
打数:7760(野村克也/10472打数)
安打:2161(張本勲・元東映ほか/3085安打)
塁打:3525(王貞治・元巨人/5862塁打)
打点:1270(王貞治/2170打点)
犠飛:77(野村克也/113犠飛)
三振:1646(清原和博・元西武ほか/1955三振)
併殺打:237(野村克也/378併殺打)
(※カッコ内は歴代の最多記録とその達成者)
目安として付記した歴代トップの記録と比較するとやや物足りないように映るが、例えば打点では歴代19位で、その他も、おおむね歴代30位以内には入っている。
しかも、現役選手なので、この先も数字が上乗せされ、ランキングは上昇する可能性がある。
また、三振や併殺打などのよろしくない記録も、現役を長く続け、多く試合に出ているからこそ。
ある意味、勲章と言ってもいいだろう。
■イジられキャラの最年長
本来、ベテラン選手はニラミを利かせて引き締め役になるはずだが、新井のチーム内の立ち位置は「いじられキャラ」。
その風通しのよさが今の広島の持ち味でもある。
新井が元気なら、広島の勢いは真夏を迎えても衰えそうにない。
(成績は8月8日現在)
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