タイ政府は、イスラエルとイランの緊張が激化する中、現地に滞在するタイ人の安全確保に向けた一連の対策を発表しました。2025年6月16日にタイ政府メディアNNTが伝えています。
2025年6月13日に報じられたイスラエルによるテヘラン空爆を受け、ペートンターン・チナワット首相は労働省に対し、現地の雇用主と連携し、タイ人労働者の避難場所を確保するよう指示しました。また、ピパット・ラチャキットプラカーン労働大臣によると、首相は新たな労働者のイスラエル派遣を一時停止するよう、各人材派遣会社に求めたということです。
6月14日には、緊急時の帰国支援に備え、関係省庁による合同タスクフォースの設置も命じられました。在テヘランおよび在テルアビブのタイ大使館には、現地のタイ人と緊密に連絡を取り、状況をリアルタイムで共有するよう指示が出されています。外務省によれば、6月15日時点でタイ人の死傷者は報告されていません。
さらに6月14日には、外務省が国防省と連携して「ラピッド・レスポンス・センター」を立ち上げ、中東地域の各大使館・総領事館に対し警戒態勢を強化するよう通達しました。現地滞在のタイ人には、外務省の公式アプリ「Thai Consular」への登録と、大使館との密な連絡を取るよう呼びかけています。
また、マリット・サギアムポン外務大臣は同日、リスク評価と避難計画を確認するための緊急会議を開催。すでに退避手順は発動可能な状態にあり、各公館では支援の準備が整っているとしています。外務省は再度、タイ国民に対し不要不急の渡航を控え、安全情報に従うよう強く求めました。
6月15日、外務省は声明を発表し、地域の緊張の高まりに深い懸念を表明。すべての関係者に自制を求め、民間人への被害を回避するよう訴えるとともに、国際法と国連憲章に基づく平和的対話の必要性を強調しました。政府機関は引き続き、在外タイ人の安全確保に全力を尽くす方針です。
元記事を読む
本サイトに掲載されている記事の著作権は提供元企業等に帰属します。
この端末ではマルチデバイス版とPC版の表示が選べます。