
プリンス・オブ・ソンクラー大学(PSU)ハジャイ校理学部は2025年7月4日、6月下旬から7月初旬にかけてアンダマン海で観測された一連の地震について、津波や海底火山噴火の懸念は現時点で科学的に裏付けられていないと発表しました。
この期間中、SNS上では「アンダマン海の海底火山が噴火し、タイ西岸に津波が発生する可能性がある」といった情報が拡散し、市民の間で不安が広がっていました。
しかしながら、大学の発表によりますと、2025年6月24日から7月4日までの間にアンダマン海で発生した地震は計22回で、いずれも小規模から中規模(最大マグニチュード5.4)であり、震源の深さはおおむね10キロメートル程度でした。これらは「地震群(アースクエイク・スウォーム)」と呼ばれる自然現象で、世界各地で日常的に発生しているものであると説明しています。
また、地震の発生位置や深さなどの科学的分析から、活動中の海底火山との関連性は見られず、マグマの動きを示すデータも確認されていないとのことです。
津波の可能性についても、「通常、津波はマグニチュード7.0以上の規模で、地殻が垂直方向に大きく動いた場合に発生しますが、今回の地震はその条件を満たしていない」として、現時点で津波警報を発令する必要はないとしています。
プリンス・オブ・ソンクラー大学は、こうした状況を受け、市民に対して「噂に惑わされることなく、気象局や国家災害警報センターなど信頼できる情報源から正確な情報を得ることが大切です」と冷静な対応を呼びかけています。