
タイ政府は、宗教行事の期間を狙ったオンライン寄付詐欺が多発しているとして、送金前に情報をよく確認するよう国民に呼びかけています。2025年7月11日にタイ政府メディアNNTが伝えています。
政府副報道官は、現在の宗教祝日(アサラハブーチャおよびカオパンサー)に合わせて、詐欺グループが偽のチャリティ活動を立ち上げていると明かしました。詐欺の内容には、「牛の放牧」「けがをした動物の保護」「オンライン功徳証明書による税控除」などが含まれており、善意を逆手に取る手口が目立っています。
タイ商工会議所大学の予測によると、2025年のアサラハブーチャとカオパンサー期間中の消費額は約60億~80億バーツに達する見込みで、前年の64.7億バーツから2~3%の増加が見込まれています。これに伴い、寄付を装った詐欺の被害リスクも高まっているとみられています。
副報道官は、社会・ビジネス開発研究センターが2023年に実施した調査を引用し、「同情心につけ込んだ詐欺による被害額は23億バーツにのぼる」と述べました。特にZ世代やY世代は、高齢世代よりもこうした詐欺に遭いやすい傾向があることも明らかになっています。
政府は国民に対し、寄付をする前に受取人の口座やウェブサイトの正当性を確認するよう呼びかけています。警察庁の提供する照会サイト(www.checkgon.go.th)を活用するほか、振込先の名義が正式な慈善団体と一致しているかを必ず確認することが重要です。